11月5日
政務調査費を修正申告(申告書はここをクリック)
県内のオンブズマンが、徳島県議会や各市議会議員の平成18年度の政務調査費の全額返還を求める監査請求を行った。「全額」というのは極端な話だが、証拠書類である領収書の添付がないのだから、「全額を返せ!」と言われても仕方のないことかもしれない。
オンブズマンの請求書によると、個人の政務調査費のうち、「吉田益子議員の人件費(月11万円)が多すぎる。雇用した職員は政務調査以外の後援会や選挙の仕事もしているはずなので、不当である。全額返すべき」という意味のことが書いてあった。他にも名指しをされていた議員や会派が多数あった。
不透明な政務調査費を公開させ、キチンとした使い方に変えていくための運動は大いに有意義だし、どんどんやるべきだと思うけれど、電話1本かけて取材してくれたら、私の事務職員の給与は、後援会と政務調査費で相当額を按分していたことを説明できたのに、オンブズマンの調査不足は否めない。しかし、何はともあれ、市民が税金の使い方を厳しくチェックする時代が来たことは、本当に喜ばしいことだ。
県は住民の監査請求を受け付けると、監査事務局が必要な資料(この場合は会計帳簿と領収書)を集め、「証拠書類は揃っているか、使い方に問題がなかったか」まず事務的なチェックをする。その後、事務局の調査を元に知事が選んだ監査委員(弁護士や公認会計士からなる)が、適切だったかどうか判断するようだ。(県の監査を知事が選んだ監査委員が調べるということはチェック体制が甘いとも言える)
会派「県民ネットワーク・夢」についても何点か事務局から質問があった。(18年度は9月まで本田議員と二人会派。10月からは一人会派。)吉田益子個人については、問題はなかった。
会派の支出で監査事務局に指摘されたのは、新潟(豪雨災害のあとの河川整備を豊岡議員と調査)、北海道(文教厚生委員会視察)、山形・宮城(環境特別委員会視察)の3箇所の視察での自己負担(支給される旅費の不足分)した交通費、徳島空港の駐車料金、土成〜徳島の高速料金、新潟〜徳島間の交通費の一部など、17、728円について。
監査事務局は「監査委員の判断によっては不適切となる可能性があります。その場合、知事から返還命令が出されます。」ということだった。「そんなバカな、ちゃんとした政務調査にかかった実費を政務調査費から支出せずして、何のための政務調査費か?」と納得いかない気がしたが、「職員の旅費規程と同じ算定で旅費が支給されているのだからそれ以上は自己負担してもらわないと二重計上ととられるかもしれません。」という。
実際新潟には時間の関係で東京まで飛行機、東京から新幹線を利用したのだが、支給される費用弁償の計算ではJRで行った場合の金額となる。(そうすると1泊余計にかかってしまうのだ。)まあ、争ってまで主張を通すようなことではないと判断し、修正申告をすることにした。
監査委員の結論
私を含め数人の議員がさまざまな理由で修正申告をし、その結果、監査委員の結論は「問題なし」となったのだが、政務調査費の使途基準があいまいであるし、領収書の添付を義務付けるなどの改革が必要だ。
議会のあり方検討会では、来年度から全ての領収書を添付するを義務付けることが決まったようだ。これは全国的な流れであり、私も参加した「みどりのテーブル」のキャンペーンが、全国の状況を変えていったのだ。
徳島県議会の内部でいくら主張しても通らなかったことを、全国の仲間とつながり、キャンペーンをはることで変えることができたのだ。オンブスマンは今回の監査委員の判断を不服として提訴するかもしれない。自分自身が関わっていることではあるが、政治家の特権乱用に大いにメスが入れられることを期待している。
あたりまえのことばかり〜検討委員会の委員長の出した使途基準
この原稿を書いている今日(12月10日)徳島新聞朝刊トップに、議会のあり方検討委員会の委員長が出した政務調査費の使途基準試案が出た。不適切な支出の例として、選挙活動費、冠婚葬祭の出席経費、自動車の購入、年賀状、事務所に掲示する絵画、安楽いすなどが挙げてあり、あまりの当たり前さにびっくり!常識的なことばかりだ。こんな使途基準を出さなければならないとは、恥の上塗りなのか、1歩前進なのか、評価しがたい。
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