10月20日
キーワードは情熱
〜ユニットケアをとりいれた特別養護老人ホーム視察〜
9月議会と11月議会の間に特別委員会の県外視察が行われることになっている。日程は2泊3日だが、都合により2日間だけ参加した。
マンガ「風の大地」でおなじみの栃木県鹿沼市の特別養護老人ホーム「ハーモニー」。入所定員60名、当初スタッフが昼夜交代でケアしていたが、「一人一人のスタッフが60名全員の健康状態や性格まで把握するのは困難。「介護」でなく、分業により「作業」をしている感覚だったそうだ。それを10人くらいの少人数のユニットに分けることによって、スタッフも一つのユニット専用スタッフとした。
各ユニットのスタッフ6〜7名の一人一人が入所者10人を知ることは出来る。ユニットごとに台所があり、食堂がある。人手は増やさなければならなかったが雰囲気も家庭的になり、忙しくて座らせたままになりがちだった手のかからないお年寄りにも行き届いた世話が出来るようになったという。
スタッフといっしょに料理をしたり買い物に行ったり。語ってくれた施設長の関口さんの介護への情熱がビシバシ伝わってきて、各委員は感動。関口さんは農学部出身で、園芸療法のようなものを介護に取り入れていて、庭や2階の広いベランダには菜園が。暖かい明るい木使いの多いリビング、玄関先には財務諸表の開示もあり、いたる所に経営者の思い入れが感じられた。
庭続きのお隣には、関口さんの妻が園長を務められている保育園や学童保育があり、保育園の庭では裸足で遊ぶ園児たち。小さかった頃のわが家の子どもたちを思い出す。全天候のテニスコート半面全部にチョークでいろんな絵を描いて一日中遊んだものだった。その絵を見るたびにウチの子は天才かもしれないと思ったのだが・・・。
この保育園の庭は豪華な遊具はないけれど子どもがわくわくするようなトンネルのある築山や、ミニログハウスにはホンモノの古いお鍋ややかんのおままごとセットに土のお団子や葉っぱのおかずが色とりどり。やがて土のお団子にはやかんで水がかけられてドロドロに・・・。ちゃんと犬もいた。いつかこんな楽しい保育園をやってみたい、とたくさんある夢の一つを思い出した。
何をやるにもキーワードは情熱と時代を読む心。
ホームで働く120名中20名のお母さんの子どもたちが庭続きのとなりの保育園にいるという。ゆりかごから永久の眠りまで、また働き盛りの子育て支援と、関口夫妻のすばらしい実践だった。(なお、関口氏は昨年の参院選挙全国比例区で中村博彦氏の栃木県選対責任者として頑張られたそうだ。老人福祉施設界の代表として当然であるが、複雑・・・。)
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