新年あけましておめでとうございます。
旧年中は何かとご心配もかけ、お支えいただいて、本当にありがとうございました。2004年は、日本も世界も戦争や災害に見舞われた大変な年でした。
社会的なさまざまな課題も、全てが複雑に絡まりあって明るい兆しが見えてきません。 しかし、歩みを止めることなく、毎日の出会いやプロセスを大切にしながら今年もこつことと頑張っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
1月3日
吉野川市成人式に出席しました。
吉野川市の新成人555名をお祝いして、実行委員会主催により、成人式が行われました。新成人と言っても、私にとっては息子と同世代のかわいい子どもたち(?)です。
来賓としてごあいさつさせていただく機会を得、前の晩から何を話そうかとドキドキしていました。沢山の若い人たちが静かに話を聞いてくれるのだろうか?数年前の「荒れる成人式」のことが頭をよぎり、不安でした。
心を込めて話がしたい!ひとりひとりにとっては明日が最初で最後の出会いかも知れない。原稿をつくってみて、出来る限りシンプルにと努力してみても、言いたいことが山ほどあって4分半。
ちょっと長いかなあ・・・。当日の朝は胃がしめつけられそうで、代表質問よりも緊張しました。
会場に着くと、色とりどりの艶やかな振り袖姿、男の子も袴姿もチラホラ、髪をカラフルに染めて嬉しそう、心が和む風景でした。式の間、祝辞がたくさんある中、会場は少しだけざわついていましたが、私の話をまっすぐに前を向いて聞いてくれた人が沢山いたように思います。
みんな幸せになってほしい。そして周りを幸せにしてほしいと心から思いました。
新成人の方たちへ贈った言葉(一部略)
夢について
みなさんの中にはすでに目標を見つけて頑張っていらっしゃる方、そうでなく悩んでいらっしゃる方、いろいろだと思います。前の世代のことを考えてみました。みなさんの親の世代、つまり私以前の世代には、日本社会にはわかりやすい目標がありました。戦後の復興、高度経済成長、所得倍増計画、日本列島改造論、全国津々浦々、鉄道を通し道路をつくる、社会資本整備。そのために、一所懸命努力して、勉強して、働いて、と、夢を持ちやすい時代でした。 そしてそれはある程度成功を収め、私たちが日本で普通に生きていれば、ほとんどのものが手にはいるという物質的な豊かさを得ました。
そういう中で、みなさんの世代は今、次の目標や夢を、とても持ちにくくなっているのではないかと思います。政治家の多くは、あいかわらず、さらなる経済成長や社会資本整備を言うけど、こんなに便利でものが溢れている今、説得力がありません。
日本は世界的には経済大国ですが、自殺する人の割合は突出しています。
みなさんは「ゆでガエル」の話を聞いたことがありますか?
蛙をいきなり熱湯に入れたらびっくりして飛び出るけれど、水に入れてゆっくり加熱していくと、蛙は気付かず、ゆでられてしまう、という、環境問題のお話しです。
「経済」というものは「環境という器の中での経済」ということを認識し、「経済大国」でなくても「小さくても平和で心豊かな循環していく社会」をしっかり次の目標に立てなければなりません。日本は未だに「経済」中心の社会でリーダーたちは、まだそういうビジョンを示していませんが、必ずそういう社会を目指さねばならなくなってきます。
例えば地球の肺と言われるアマゾンの熱帯雨林の破壊、酸素を供給する森が消滅したら人間は生きられないのですから、石油の利権のために戦争している場合ではありません。
この吉野川市で平和に暮らしていると、そういう世界的な環境問題は遠い出来事のような錯覚を覚えます。社会で起こっているさまざまなことと、自分は無関係であるような気がします。でも決してそうではありません。毎日の食べ物の約6割、車のガソリン、自動販売機のアルミ缶、洗剤の原料となるヤシ油、オフィスで使っているコピー用紙など、第3世界といわれる国々の生活の犠牲の上に輸入しているものがほとんどです。
いい意味でも悪い意味でも、私たちはいつも世界とつながっていることを
どうか忘れずにいて欲しいと思います。
そして、そういうことにアンテナを高くしていれば、みなさんがこれから夢を持ってやるべきことは、本当にたくさんあります。
私たち地方議員も、もっとそれらをわかりやすく示す努力をしていきたいと思います。
また、みなさんは選挙権を得たわけですが、どうか棄権などすることなく、是非、投票に行って下さい。私は、子供を産むころまで政治に関心が無く、学生時代は選挙にも行かず、自分の暮らしと政治は関係ないものだと思っていました。 しかし、それは大きな間違いで、みなさんのこれからの生活はほとんど全て政治に左右されます。
投票したい人がいないときは、仲間でカンパを集めて候補者を出すこともできます。批判するだけでは不合理な社会は変わりません。
金権選挙、金権政治を憎み、選挙権を大切にして下さい。
これからは、同じふるさとを持ち、世界の平和を願う、大人の仲間として共に力を合わせていきましょう。
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