6月17日
松岡食品の跡地を考える会、知事に要望書提出
吉野川市鴨島町喜来で食鳥処理業を営んでいる会社が、県管理河川「江川」の改修工事に際し移転することになり、鴨島商業高校の隣地(約30m)である旧漬け物工場跡地に新設を計画し、一部工事が始まっている。
新設予定地は、住宅地のまっただ中ということで、周辺自治体の住民のみなさんが反対されている。悪臭や羽の飛散など環境の悪化、土地の値下がり、1日に2万羽の処理能力を持つという新施設の子どもたちへの影響、地下水の水位低下などを心配されている。
初めは業者との話し合いの中で、疑問点や心配を一つずつ解消していこうという主旨の会の結成だったらしいが、2度の業者との話し合いの中で、住民意見を聞くとしながらメモも用意していない業者の態度や、説明の度に変わる答弁などで不信感が募り、「反対」という態度を明確にすることになったそうだ。
この4月に今の工場が河川の一部不法占拠であることもはっきりした。また、たびたびの野焼きにより黒煙をあげていた今の施設に対し、旧鴨島町へも何度も苦情を言っているらしいが、そのたびに改善は一時的で、つい昨年まで野焼きを繰り返していたという業者への不信感も相当だ。
「私は口下手なのでもうこれ以上の話し合いはしたくない」と社長。
地元吉野川市議会や市長、知事や県議会にも反対の陳情や請願を出すことになり、この日は知事あての要望書を所管の生活衛生課長が受け取ってくれた。
県議会への請願は「地域住民の福祉や安全を考え、県は充分に業者を指導し、地元住民の理解を得られるまで食鳥処理の事業の許可及び食肉処理業の許可を出さないようにしてほしい。」という内容だ。
業の許可は知事が出すことになっているが、設備、人的要因が整っていれば、許可をせざるを得ないというのが担当課のコメント。養鶏業は徳島の重要な産業であることはいうまでもないし、農家や業者には頑張ってほしいのは当然なのだけれど、住民との摩擦が起こらないように、なるべく周辺に住宅のないところに処理工場を立地するのがモラルというものだろう。
法律さえ守っていれば何でも許されるというものではない。
どこにどう言って行ったら良いのか困り果てた住民の立場に立って、行政は業者との間に立って何とか手だてを講じてほしいものだ。
具体的には企業誘致に多額の有利な補助金を出している行政なら、円満解決のため、この業者に適当な代替地を世話してくれないものだろうか・・・。
ちなみに公有地の不法占拠の立ち退きに際しては移転補償料を払うのが判例、という河川課の回答だった。個人の住宅などに当てはめると仕方ないなという気がするが、この場合は「ちょっとおかしい!!」と住民が疑問に思うのも無理はない。
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