川島町合同慰霊祭に際し、ひとこと追悼の辞を申し上げます。
まずは、先の大戦で尊い命を失われました方々のご冥福を、ここに改めてお祈りいたしますとともに、今なお悲しみ深く、癒えないでありましょうご遺族の方々の心の痛みに対し、衷心よりお見舞い申し上げます。
戦後60年にして、平和憲法に守られ、どこの国とも武力を交えていない日本ですが、世界の国々では戦火が絶えることはありません
東西冷戦が終結した際には、これで世界平和が訪れるかと期待いたしましたが、21世紀に入り、ニューヨーク同時多発テロにはじまり、イスラエル、パレスチナ、アフガニスタン、イラクなど、新たに戦争の犠牲になられる方々は増え続けています。
武器を売り、儲ける人々がいる限り、自国の新たな発展のため、他国に資源を求め続ける限り、強く願うだけでは本当の平和は訪れないのかもしれません。
最近は、中国の反日デモの映像がニュースで流れるたびに悲しい思いをしております。太平洋戦争で命を落とされた300万人の日本人のお一人お一人に、それぞれのご家族の深い悲しみがあり、また1000万人ともいわれる中国人犠牲者のお一人お一人にも同じようにそれぞれのご家族の深い悲しみがあることでしょう。
毛沢東は終戦と同時に「昨日の敵は今日の友」として在留日本人を保護し、祖国に帰してくれたそうです。賠償金も日本に求めませんでした。その中国が、一部の人たちではありましょうが今、日本に向かって石を投げています。
戦後60年、何が彼らをそうさせてしまったのでしょうか。私たちの努力が足りなかったのでしょうか?
お互いの立場を思いやる心を持って、東アジアの真の友好と平和を築くことが、後に残された私たちのつとめであると信じます。
県政ではさしせまった問題として、中学の歴史・公民教科書問題が目の前にあります。平和のためにどう行動するべきか、常に考えていきたいと思います。
最後にもういちど、太平洋戦争での日本人300万人、中国人1000万人、アジアの人々2000万人、その他すべての戦争の犠牲者の方々の霊が安らかでありますように。
ご遺族の方々の今後の御平安と御健勝を心からお祈り申し上げて、弔辞といたします。
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