9月16日
吉野川整備基本方針のための国交省河川局小委員会
97年の河川法改正により、これまで吉野川など国の管理する一級河川の工事実施基本計画に代わって、河川整備基本方針の策定が義務付けられた。平たく言えば、どういう方針で川の整備をするかというのが基本方針だ。
吉野川について、現計画には可動堰が残ったままだが、2000年の住民投票の結果を受けて当時の建設大臣は「白紙」宣言。県内でも「可動堰はやらない」と言って選挙に勝った飯泉知事が、2004年3月に「まずは可動堰以外の方法を検討」と県議会で宣言し、新しい吉野川整備基本方針の策定待ちになっていた。この重要な基本方針案が出される小委員会の開催が一般に伝えられたのはナント前日の16時に河川局のHPでだった。
基本方針案によると、
- 国が計画により住民を守るべき洪水規模は150年に一度の洪水でそれは2日間で440mmの雨と想定、
- 基準点岩津(旧:山川町)での洪水ピーク流量を毎秒2万4000トン、上流のダムなど洪水調整施設で6000トンをカットして1万8000トンとする。
- 治水上障害となる既設固定堰は、抜本的対策を講じる。
となっており、以前の基本計画とまったく同じ!!
傍聴した市民によると、小委員会の委員として出席した徳島県知事代理の下保(しもやす)政策監は「第十堰では大変ご迷惑をおかけしました。」と発言し、他にただ一人の徳島県の学識委員らしき大学教授は「委員を依託されたとき、とんでもない畑違いと思った。これを機会に勉強させて頂きたい。」と言ったらしい。あ〜あ、よく勉強した人を委員にしてほしかったな。(この方は文化としての吉野川の専門家なので、そっち方面からのアプローチでは活躍して頂けると期待はするのだが・・・)
洪水ピーク流量とは、想定した雨が降ったときにその場所を流れる最大の水量のことだ。この数字だと、ダムで今、約3000t/秒カットしているので、あと約3000t/秒を他の新たな洪水調整施設でカットしなければならないということになる。洪水調整施設とはダムか遊水地のこと。そんな場所が上流にあるのだろうか?それに第十堰が想定雨量で治水上障害にならないことは、はっきりしているのではないか。これまで250年もの間第十堰が原因の洪水は一度もなかったんだから。
昨年の台風23号では岩津で観測史上最大流量1万5700t/秒を記録したが、第十堰で付近は堤防まで4メートルの余裕、一方、流域全体で中小河川が約3800戸の床上床下浸水を引き起こしたんじゃなかったのか?
代表質問の項目に予定していなかった吉野川の問題だが、取り上げないわけにはいかなくなってきた。
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