9月30日
視察〜井川町合併離脱の真相は?〜
三好郡東部合併協議会が平成15年3月に結成されてから1年半の協議の末に合併協を離脱した井川町。マスコミ報道によると離脱の理由は他町との財政格差だという。詳しい話を是非聞いてみたい!
山川町から車で西へ約50分、選挙カーとしても大活躍してくれた愛車「黄色いライフ」を田舎の大学生一人暮らしの息子に譲り、燃費世界一の新車プリウスを走らせた。
飯泉知事が、職員にマイカー通勤自粛を言い、ロシアが京都議定書を批准するかという(9.30)ご時世であるが、残念ながら西部方面行きの適当なJRはなかった。井川へなら平均燃費30km/リットル以上は走ってくれるだろう。
合併協議会は「合併ありき」の機関ではない
同協議会規則第3条には「合併の是非を含めた合併に関する協議」をおこなう約束があり、協議会では「合併が良いのか、悪いのか」を全ての協議が終わった時点で判断すべきだと決めている。
ところが協議会ではそれが判断されなかったので、
「新町の合併案」ができあがってから住民に問うべきだということになった。合併案ができあがったのが8月7日。そこで同17日から9月2日まで合併案の中身について町民への説明会を町内16カ所で開催したそうだ。
これってごくごく当たり前の話のようでもある。
ところが私の地元の例を取ると、アンケートや説明会は合併協議会が開催される前だけに行われており、会場では不安な住民の方々の質問が相次いだけれど、そこでは合併のメリットばかりが強調され、具体的な事が語られることはほとんどなかった。(当たり前である、まだ協議会が行
われる前なのだから)
井川町の合併協離脱を報じるマスコミ報道では「なぜこの時期に?」との見出しが踊り、他町の反感を買っていることのみが強調されていたが、この時期にこそ合併の是非が判断されるべき、この時期でないと判断できない、この時期に判断することはごく当たり前のこと、ではないのだろうか?
財政の徹底検証
合併協議会の離脱は井川町議会議員全員一致で可決された。
議員の気になるところとして合併するしないにおける普通建設事業費の額の違いがどれくらいなのか、があったらしい。
4町の現在の借金(地方債残高)を基金で埋めた残金の割合と人口の割合で、合併特例債を含む新町の予算を各町に割り振ったとき、井川町の取り分は今後10年間で毎年約60億円、
合併せずに単独でいった場合の普通建設事業費も毎年40億〜60億円で推移するだろう、という財政の見通しがでた。
これくらいなら単独で行く方が得策だと議員全員が判断した。その後の住民説明会でも、このはっきりした数字を公表したことで合併しないことに納得した住民が多かったということだろう。
やっぱり「なんて当たり前のことなんだ。」と感動した。
当たり前のことが当たり前に行われないのが、今の地方政治。
井川町の合併協離脱は、アメ政策で強引に合併を推し進める国と県の中で、胸のすくような出来事だった。
財政格差の原因は?
4町の中で特に地方債残高の少ない井川町。
その割合は全町のわずか5.8%にすぎない。
(井川3億4500万円、他3町の合計56億600万円)
その大きな要因のひとつとして4町の汚水処理方式の違いが挙げられる。
市町村設置型合併浄化槽事業を選択した井川町は、
人口約5100人に対し総事業費20億円で全町の汚水処理を行なう。
他の3町はそれぞれ
60億円(人口約5200人)、
80億円(同6100人)、
100億円(同1万人)
をかけて公共下水道事業を整備する計画だという。
その後
10月中旬になった今、三野町は市政を目指す三好西部の合併協からのラブコール、残る三加茂町、三好町は2町で合併協を立ち上げた。
今後も新しい枠組みでの合併が進んでいくことに間違いはないだろう。
が、常に冷静な分析で町民にとって一番良い方法を選択して欲しい。
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