4月20日
環境保全型農業とは?
雨の東京へ。(財)日本生態学協会の議員向け学習会に初参加、テーマは環境保全型農業。滋賀県の先進的取り組みを「環境こだわり農業課」の担当に直接に聞けるということで早くから楽しみにしていた。徳島からは申し合わせたわけでもなく、豊岡、本田、黒川の各県議も参加。
滋賀県の環境直接支払い制度
化学合成農薬・化学肥料を慣行の5割以上カットしている田畑について、県が作物別に普通栽培との経費の差額を決定し、支払うというもの。例えば水稲は3ha以上だと10aあたり2,500円、3ha以下は5,000円、トマトやキュウリなど施設栽培の野菜は3万円、露地野菜だと5,000円、果物はぶどう・なし・もも・いちじくが3万円、梅・柿・栗・ゆずだと1万円だ。お茶は1万円、ナタネは2千円など。これまでに耕作農地面積の約10%が登録されているという。
滋賀県の環境意識が高いのは、「琵琶湖の水質悪化があったから」という。昭和40年代にアオコが大量発生し、「何とかしなければ」と工場、家庭、農業と3種の汚染減に分けて対策がとられた。「無リン洗剤を使おう運動」は有名だ。今は無リンの洗剤も製品自体がほとんどなくなった。典型的な不買運動の成功例である。
休耕田をプラス思考で!!
それでも、新規に耕作面積が増える、とはいっていないようだった。しかし、生態系協会の考え方は「休耕田をマイナスとして捉える」のでなく「休耕田が増え、自然に還ることは地球環境にはプラス」というもの。欧米でも休耕地をビオトープ化させることに助成金を支払って自然を復元させているという。
もちろん食糧自給率40%の日本の状況は危機的だ。そして「休耕地=無駄な土地、荒れた土地、社会の損失」という考え方が主流だが、実は休耕地では農業の基礎となる土壌が植物によって毎年作り続けられ、緊急時には農地としてまたすぐに利用できる。EUでは環境保全を目的とした20年以上の休耕地にはhaあたり8万円の助成金が支払われるという。休耕地になったからといってすぐに宅地に利用しなければ損!という考えは長い目で見れば間違っているのだ。
吉野川市内の方が、「休耕地にレンゲを植えて子どもたちを遊ばそう」という取り組みをされている。この春、そこに子どもたちが遊びに来た様子をメールで送って下さった。
養老孟司も言っている「最重要な国策は環境問題」
第2部は、財団事務局長の講演。印象に残ったのは「今、一番大切な国策は環境問題。他は全て雑音!なぜなら100年先に人類が地球で生きていけるかどうかの瀬戸際だから、とベストセラー「バカの壁」の養老孟司さんも言っていますよ」というところ。そうだ、そうだ。日に日に数種類、数十種類の生き物が絶滅している今日なのだ。生態系は人類が生存できる指標。彼が「環境はある意味戦争の問題よりも大事!」と力を込めたのも一理はある。(一理はあるけれど、戦争は大きな環境破壊でもあるし、戦争は大きな人権問題。人権の問題はやはり政治にとって環境同様に最重要!)「リサイクルは何の役にも立たない!大切なことはつくらないこと」ということも大いに共感。生態系協会は官僚相手にロビー活動に力を入れる専門家集団だ。会員になってもっともっと学ばせてもらい、発信していこうと思う。
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