7月26日
川島町で講演会
世の中ちょっとここがヘン
〜人権尊重のまちづくりのために〜
吉野川ビジョン21委員会のワークショップ終了後、帰宅するともう7時半、友人のMちゃんが、「川島で在日韓国人が人権の講演会をするって回覧版に出てたよ。」と誘ってくれている。もう始まる時間だ。しんだいけど地元での催し物にはなるべく参加しなくては、と夕食を掻きこんで遅刻して参加した。
行ってみると何と”週間金曜日”などでおなじみの辛淑玉さんがしゃべっている。えっ?こんな有名人が! 来てよかった、ラッキー!
晩ごはん食べずに早く来るんやった、と後悔しつつも辛さんの話にグングン引き込まれていった。
専業主婦を妻に持つ日本人男性の家事時間(家にいる時間で、睡眠と食事とお風呂と趣味、娯楽の時間を除いて、自分の着替えを洗濯機に入れたり自分のごはんを自分でよそったりする時間を含む)の平均は、1970年時点で26分。
うん、そんなものかな。
そして1世代を経た25年後の1995年の場合はというと、予想に反して同じく26分。
え〜? 増えていないの?
今の20代のお父さん方は、子どもの面倒をよく見ているような気がするけど…。
70年に比べて家事そのものがより機械化されて便利になっているから、実質の家事に従事する機会は少しは増えているのでは? それとも共働きが多いのか?
ここまではまあいいとして、共働き夫婦の場合、男性の家事時間はというと、何と平均20分。
専業主婦の場合より短いとは驚きだ。
そのわけは主婦が「働きたい。」「パートに出ようと思う。」と夫に相談したとすると、たいてい「家事とちゃんと両立するように」「家のこともちゃんとやれよ!」などと言われて、妻がより完璧に家事しようと頑張る結果、といわれればちょっと納得。
日本では中年の離婚が増えてきているといわれて久しい。退職後、夫が家にいることに絶えられない妻、家で居場所のない夫、夫婦の1日の会話時間が先進国で最も短いのも日本だそうな。
「風呂、めし、寝る」の3つしか言わないといわれている日本の夫たち、最近では「ビール、箸、皿」に変わっているらしい。
うちの旦那も「箸」というのはよく言っているなあ。
まあ「家事をするより選挙に出てくれ!」と言って夕食を作りゴーヤジュースを作ってくれる彼の休日の家事時間は私の数倍。許すとしよう。
男女共同参画社会、最近「ジェンダーフリー攻撃」が全国津々浦々で盛んなようだ。
「女は女らしく」ということで生き方を制限されてきた女たちのことは何となく「そうだ、そうだ」と理解しやすいところだが、「男は男らしく」「男は泣いたらいかん」「男は黙って絶えるもの」等々によって感情を抑圧されてきた結果、年間の自殺者3万2千人のこの国で、そのほとんど多くは男性。
感情を豊かに表現することを「女々しい」と言われ、妻に愛情表現をしなかったがために、子育てに参加しなかったがために、退職後には妻や子どもに相手にされず居場所がない。
「お金を稼ぐ」ということ以外に自らの値打ちをなくしていった可哀相な男たち。
日本は男たちにとってもとても残酷な国だったのだ。
目からうろこ。
そういえば女より男のほうが本当はロマンチストかもしれんなあ。女は結構現実的でちゃっかりしてて、男は純情で優しいもんな。とちょっと思いかける。
いやいやそんなことはない、男も女もどちらもそういうところをそれぞれの個人の個性として持ってるに違いないんだな。
県議会でも男女共同参画が問題になり、来代さんの提案で、総務、文教厚生、人権の3委員会合同の勉強会が4日に開かれる。2日には、その対策に市民主催のフリートークに参加する予定である。
先日、コープ自然派徳島の主催で、スウェーデン帰りの看護婦さん「ホルム麻植桂子」さんの話を聞きにいった。
「福祉は生まれてから死ぬまで全てに関わったこと。弱い立場の人のことをするのが福祉だから。妊婦さん、赤ちゃん、子育て中のお母さん(これは強いかも?)、子ども、年をとった人、障害のある人、全てが福祉に関係する。日本はとても福祉の貧しい国。」という話から始まって、結局この国の男女の関係がゆがんでいるところから全ての歪みが始まっているような気がしてきた。
要するに全て「(自然を含めた)他者への思いやり」の問題ではないのか。
愛する妻や夫が大変そうにしていたら自分も手伝うのが自然な姿なのかもしれない。
また、家庭での男女の役割の対等性はその社会の成熟度かもしれない。
不思議なことに自民党県議のほとんどが「ジェンダー・フリー」や「男女混合名簿」を否定的に思っているということがこの1ヶ月間の委員会での私の結論。なぜ? 実はジェンダー・フリーはとても政治的なのだ。
辛さんは”週間金曜日”等の記事ではちょっときつい人かな、という印象だったのだけど、実際会ってみるととても温かい人。
サインを求める人たちに一人一人その人の似顔絵をつけて(時間かかるのに)サインしてくれた。
最後尾に並んで待っている時間も控え室全体の空気が温かかった。
笑顔もすてきだ。
「優しさと強さは表裏一体」という私の人間観を裏切らないすてきな女性だった。
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