8月6日
暑い熱い日曜日
6月末にちょっと広い里山の家に引っ越してから、わが家には学生さんたちのお客が増えた。里山の家とは、「NPO法人 里山の風景をつくる会」が、吉野川を守るためにその源流の森を守る→木を使って家を建てる。ということで建てている家。徳島を代表する建築家のひとり、野口さん設計のすてきなデザインだ。先月には東京の外国語専門学校生の海外ボランティア研修で12名を受け入れ、この日は、香川のNPO法人セカンドハンド主催のカンボジア・スタデーツアーにこの夏に行く予定の大学生、高校生たちの事前研修で、スタッフ共々18名を受け入れた。
研修の講師はさくら診療所スタッフで、アフリカ支援の経験豊富な元青年海外協力隊員や元JICAスタッフ、NPOメンバーなど。この日の朝は、最近初めての民主選挙が行われたコンゴ共和国に選挙監視員として派遣された徳島大学国際政治学助教授の饗場先生の帰国後ほっかほかコンゴ情報の講義が8:30〜ということで、1時間参加させたもらった。
山川少年サッカー大会
9:45〜は、山川の河川敷で少年サッカーの開会式。その昔、熱血スポーツ少女だった私は、団体スポーツが大好き。中学から始めたバレーボールは、高校、大学、社会人、ママさんと、議員になるまで続けていた。バレーのおかげでどこでもすぐに友だちが出来るし、連れ合いとも就職先の大学病院のバレーで知り合ったのだった。
高校時代のバレー部はとても厳しく、1年365日、正月も練習していた。入部してしばらく「これは勉強との両立は無理」と悩み続け、夏休みに「辞めます」と泣きながら監督に言った。「勉強はどこでだって出来るぞ、逃げるのか?」と当時23歳のバリバリ体育教師の監督に言われ、悔しくて最後まで続けたが、血の出るような練習とはあのことだ。3年最後の夏、インターハイの一歩手前の宮崎大会決勝で敗れたが、高校時代の10名のチームメイトとは今も仲良し。私が帰省するたびに集まって思い出話に花が咲く。
今は亡き部長の言葉「バレーは総合力である。体力、気力、技術力の他、賢さ、ずるさ、思いやり、協調性、勇気、挙げればきりがない。つまり人間としてのあらゆる要素を豊かにする努力を日常生活で忘れないで欲しい。」は教室で習ったどんな勉強よりも、役に立っている気がする。
我が子が中学や高校に進学したときには「何を犠牲にしても部活だけはするように」と言ってきた。だから、少年野球や少年サッカー、駅伝などによんでもらえるのはとてもうれしい。お世話されている方たちはすべてボランティアだ。日々の仕事で疲れたはずの夕方や休日を子どもたちのために頑張られている。有り難いことだ。自然の遊び場がなくなってしまった今日、また、普通に遊ばすのが恐ろしい、何が起こるかわからない物騒な悲しい社会の中で、少年(少女)スポーツの果たす役割はとても大きい。出来るだけのびのびと、そのスポーツが本当に好きになるような指導をして欲しいな、と思う。
自主防災組織設立総会
10:00〜は、山川町町(まち)地区の自主防災組織の設立総会。地元のF市議より、「設立には10回以上の準備会が行われ、市の担当職員は今年度になって休みナシで頑張った」というあいさつ。彼自身も、立て続けに3地区での立ち上げに尽力している。ありがたいことだ。
30年以内に50%の確立で起こる南海・東南海地震。揺れる時間は3分ともいわれている。パニックになると行政はしばらく麻痺するだろうし、「助け合いは地域で」を合い言葉に、自主防災組織の結成率100%をめざす徳島県。県南に比べ、県西部では結成率が低かったが、このところ吉野川市でも次々に立ち上がっている。公共建物の耐震化率など全国最低レベルなのだから、ソフト面で住民が頑張るしかないのだ。本当に必要な事業がなおざりにされていたこれまでの県政が腹立たしいし、これからしっかりやっていくようにハッパをかけていくことはもちろんだ。
防災ビデオと救命研修を受け、吉野川市より防災機材の贈呈があり、お昼になった。
カンボジアに学校を〜チャリティバザーと学生たちのプレゼンテーション〜
お昼にはセカンドハンドのカンボジア支援(学校建設)のバザーに。日曜日の診療所の駐車場で人の出入りは今ひとつだった。出来るだけものを買うまいと決めているはずの私だが、カンボジア製のかわいいバッグを購入してしまった。(写真2枚)その後、朝食の残りものランチを取りながら、「研修に参加しての感想」「何故カンボジアスタデーツアーに参加するのか」を一人づつプレゼン。北海道の大学から参加した男子学生二人は「徳島は暑いですね。」とさわやかな笑顔。6名の高校生、8名の大学生は「総合的な視野を持ちたい」「お金やものの援助でない何かを」など、しっかりした意見を持っている。
「見返りを求めない」ということに対して「ODAが税金を使った政府間援助である以上、自国の利益を考えるのは当然のこと。ボランティアで動くのも、ある意味、そうすることで自分が満たされるという意味で見返りとも言えるし、私も自分がそうすることで幸せになれるからやっている。」というセカンドハンド代表の新田さんの言葉に「世界中の人が幸せにならないと自分も幸せになれない」という宮沢賢治の言葉を思い出す。
参加者のほぼ全員が「周りの人にうまく伝えたい」という悩みを持っていて、自分が現地に行くことによって自分の言葉に説得力を持ちたいと思っているようだ。悲惨な途上国の現状を友だちに話し、自分がやっていることを話しても「偉いね」と言われてそれで終わり、その友だちを変えるにはどうすればいいのか、ということで悩んでいる子が多かった。
政治の世界にも共通することだなあ。それに対して饗場先生より「善意のファシズムはどうか?」ということを学んだ。他人への押しつけになってはいけないし、世の中にはいろいろな正義があるのだ。自分のすべきことを静かに行い続ける人が美しいと思う今日この頃、政治家は静かにしていたらダメだけどね。
家では、自炊してもらうのだが、後かたづけもきっちり、お布団まで干してくれて、礼儀正しいすてきな子どもたちで、日本の未来がちょっと明るくなった気がした1日だった。そうそう、新風21のS議員の娘さんも参加していて「父がお世話になっています。」としっかりあいさつしてくれた。
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