3月26日
全国菜の花サミットinあわじ
5年来続いている「菜の花サミット」が淡路島の五色町であるから、全国でも数少ない不参加自治体である徳島の議員に是非見てほしい、という東京の環境団体に勤める知人からのメールが届いたのは3ヶ月も前。
議会も終わりお天気に恵まれ、友人のMちゃんとその元気な娘りさちゃん(小5)の3人、ピクニック気分で出かけていった。この日は基調講演が2つと子どもたちの体験発表会、パネルディスカッション。会場は千人以上の参加者で溢れており、兵庫県が全面的に会をバックアップしている様子。
菜の花プロジェクトの仕組みは次のとおり。
菜の花プロジェクトネットワーク「菜の花プロジェクトの仕組み」
転作田に菜の花を植え、なたねを収穫し、搾油してなたね油に。
そのなたね油は料理や学校給食に使い、搾油時に出た油かすは肥料や飼料として使う。廃食油は回収し、石けんや軽油代替燃料にリサイクルする。
そして大気中に排出されたCO2は菜の花を栽培することで吸収される。
このようにして、資源やエネルギーが地域の中で循環し、さらに、養蜂との連携、菜の花の観光利用など、地域内のより広く深い資源循環サイクルへの展望も開かれるということだ。昔には当たり前に行われていた話だ。
(実は私の子どもの頃、宮崎の実家はなたね油の工場で毎日たくさんの農家がなたねを持ち込んでいたものだった。工場は私が大人になる頃に閉鎖。)
地元でもNPO元気やまかわネットワークが旧山川町時代に食用油を回収しディーゼル燃料に再生する機械を導入している滋賀県愛東町を視察、旧麻植郡給食センターにこの機械が設置され、昨年度は、給食センターの5台の車のうち1台が回収油の燃料で走っているそうだ。それでも機械の稼働率は、まだまだ低く廃油回収のシステムがもっと充実すれば、さらに多くの車の燃料が生み出されるということだ。
この日のシンポジウムでは滋賀県でガソリンスタンドを営むパネラーが、「二酸化炭素を多く排出するガソリンなどを売る仕事をしていることが後ろめたくもあるが、地球環境を守るために何か貢献したいので、店で廃油を回収し、機械を導入しディーゼル車に使っている」とのことだ。
国会にも菜の花議員連盟なるものができていて、自民党の参議院議員もパネラーとして参加していた。
基調講演は環境や地球温暖化の影響などについての初歩的な話が主だったが、印象に残ったのは、デンマークで30年以上暮らしているという人のデンマークの教育の話。
デンマークでは政治への関心が高く、夕方のカフェでは、あちらからこちらから政治論議が聞こえてくるとか。「高速道路は是か?非か?」などは小学校6年生のテーマで、反対賛成のそれぞれの立場で子どもたちが議論を重ねる。未だに環境と経済が対立しているどこかの県議会よりしっかりした議論が行われていることだろう。
そしてデンマークでは環境という大きな器の中に経済があるのだということも当たり前にように認識されているに違いない。選挙権も被選挙権もともに18才から、国会議員選挙の投票率は80%以上、先日、商業高校3年生の国会議員が誕生したとか。
小学生から鍛えられているのだから、18才の国会議員でも立派にやっていけるのだという。政治の話が何となくタブーになっている日本。より民主的な国になるポイントはここらへんかもしれない。
オープニングセレモニーには、地元の国会議員や県議も来賓として多数参列していたが、講演が始まるとほとんどが忙しそうに帰っていった。子どもたちの発表では最前列の彼らの招待席に席を移し、かわいい小学生、高校生の発表をきく。パソコンを駆使する彼らの発表に時代を感じた。
溌剌と大きな声で誇らしげに発表する島の子どもたちは頼もしかった。
パネラーにもなっていた地元の理科の先生の指導も受けているようだった。
環境教育に燃えるその先生の全身からエネルギーが発散していて、ちょっと元気をもらえたような気がした。
五色町は山川から車でわずか1時間半、至る所に菜の花が風に揺れてとてもきれいだった。
この頁を読まれた方から、「徳島にも菜の花プロジェクトを始めたところがあるよ」とのメールをいただきました。それはあのゴミゼロ宣言の町、上勝町です。「集団でナタネを栽培し、収穫後は陰山製油で油にしてもらい、一升瓶で十数本??とれたとか。ブランドはナタネグループの名前をとって「ひだまり」」ということでした。また視察に行ってみようと思います。
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