2006年1月3日
明けましておめでとうございます。
今年も頑張ってHP更新を続けたいと思いますので、
ご感想や、ご指導をよろしくお願いします。
徳島では穏やかな元旦になりました。
平和で平等な世界に、一歩でも二歩でも近づけることを祈ります。
三日は風の強い一日となりましたが、
吉野川市では恒例の成人式が行われました。
わが家の第一子が成人、親として感慨無量です。
幼少期は遊びの天才として、少年期は釣りバカとして、
そしてその後も自分の人生を満喫しすぎるほど満喫してきた彼も
大人として責任を負わされることになりました。
大晦日あたりから、どんな祝辞を言おうかと悩みに悩んだ三日間
「短いのが一番」と彼にプレッシャーをかけられながら、
年賀状の返事と格闘しながら、やっと話したいことが決まりました。
今日話した原稿を掲載します。
祝辞
明けましておめでとうございます。
ご紹介いただきました、徳島県議会議員の吉田ます子と申します。
本日は、お招きいただきまして、ありがとうございました。
私は46歳のおばさんです。20年前、26歳の時、初めて母親になりました。今日は、みなさんの保護者代表として、何か心に残ることをお伝えできたらと思います。どうか聞いて下さい。
まずは、新成人のみなさん、この20年間、順風満帆だった人、苦しいことの連続だった人、みなさんがさまざまな環境で、いろいろなことを乗り越えられ、こうしてここに二十歳のお祝いの日を迎えられましたことに、心よりお喜びを申し上げます。
私がみなさんへ心から贈りたい言葉は一つ、それは「幸せになってください」ということです。さて、その「幸せの基準」は何でしょうか?あなたの幸せの基準はどうですか?
「お金、出世、肩書き、学歴、豪華な家、高級車、贅沢な暮らし」どうでしょう、みなさんは違いますよね。悲しいけれど今の大人の世界はそういう傾向にあります。他人との比較や競争によって、自分の幸せを測るんですね。
最近「世界のグローバル化」が急速に進みました。グローバル化ということは競争社会になることで、「勝ち組」「負け組」という言葉が出てきました。究極のグローバル化で最期に勝つのは一握りの人間だけです。
でも幸せの基準が「自由、健康、安らぎ、感謝、信頼、助け合い、生きがい」だったらどうでしょう、全員が勝ち組になることも可能です。
そんなのは理想だ、建前だ、という言葉が聞こえてきそうですが、私たちが今、少しづつでも幸せの基準を変えないと、日本社会は大変なところまで来ています。
昨年のマンション・建物の耐震偽造事件は「信頼や安全」より「儲け」を優先した結果、JR福知山線脱線事故は「安全」より「スピード・効率」を優先した結果でした。「経済大国」でなくても「小さくても平和で心豊かな社会」をしっかり目標に立て、幸せな人が増える社会にしなければなりません。
ひとりの力は小さいかもしれませんが「あきらめたらそこで終わり」とは、「スラムダンク」(マンガ:井上雄彦)の中で安西先生がミッチーに言った言葉ですね。
みなさん一人一人には力があります。
たとえば、ちょうど3年前、アメリカがイラク攻撃を始めました。
ホワイトハウスのホームページにはイラク攻撃を支持する国のリストが
載っているそうです。多くの国がアメリカを支持し、日本もそのリストに載っています。
中米の小さな国、コスタリカは日本と同じ平和憲法をもっていますが、このコスタリカも当初リストに載っていました。
そこで、ロベルト・サモラくんという一人の大学生が「平和憲法を持つコスタリカが、イラク攻撃をするアメリカを支持するのは憲法違反ではないか?」と裁判所に訴えました。
その結果、最高裁では7名の判事が全員一致で「憲法違反」という判決を出し、アメリカ支持宣言が取り消されリストからも名前が消えました。
一人の大学生が、一つの国のあり方を変えたのです。
一人の人間には力があります。
仲間がいればその力は倍増します。自分を大切にし、仲間を大切にし、社会の出来事に耳を澄まし、幸せをつくる人になって下さい。ここにいる全員、必ずその力があると信じています。
どうか、幸せになって下さい。
本日は本当におめでとうございました。
|
|