11月3日
9条の会徳島 結成集会に1000人
10月28日、自民党の新憲法草案が発表になった。
問題の9条第1項の「平和主義」は残し、第2項の1で現法の「武力・戦力の放棄」を削除、「自衛軍を置く」とし、2項の2で自衛軍の活動を「国会の承認その他の統制に服する」と、国会の承認を得ないで軍隊が活動できる道をつくった。「その他の統制」とは軍独自の決定でも行動できるということだ。
さらに2項の3では「自衛軍は、第一項の規定による任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び緊急事態における公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。」とし、法律の定めるところで活動できるという、憲法と法律の優位性を逆転させた。
これは、憲法の「改正」どころでなく、憲法理念、憲法のあり方そのものを根本から変えるものであり、現憲法99条の「国会議員の憲法遵守の義務」に違反しているのではないか!!???
何でもありの与党議席3分の2以上。マスコミの増幅効果で「旧来の自民党にない改革を進める小泉政権」を何となく支持する多くの人々。「他に期待できる人(政党)がいない」というのも支持理由の多くを占める。戦争の悲惨さをもう忘れたのか?歴史は繰り返すのではないか?「戦争なんて、まさか?」だろうか。
昨年の参議院選、平和のために「みどりの会議」を応援した。今年の総選挙、平和のためにベターな選択として小選挙区で「民主候補」、四国比例区で護憲派政党に投票した。結果はいずれも×。無力感。そして民主党タカ派の前原氏が2票差で党首選に勝つ。
9条が変わっても何となく平和なのではないかと思っている人たちがいるの? 戦争になっても自分には関係ないと思っているの? あなたの息子を戦地へ送り出せますか? 肉親が死ぬという想像をしただけで、私はもうダメだ。9条をそのまま子どもたちにバトンタッチするためなら何でもしたい!今日この頃である。
自衛隊と9条は矛盾する?
9条第2項に、「前項の目的を達成するために 戦力を保持しない。国の交戦権はこれを認めない」とあるが、下線の言葉があることによって、かろうじて自衛隊が「国内での専守防衛」に限って活動できることになっている。
国内活動に限れば憲法違反ではないと言える。(でもPKOや、今のイラク派兵は憲法違反。)自衛隊の存在を明言してその活動をはっきり制限すべきという意見もあり、一理あるし揺れるが、声に出して読む憲法前文と9条1,2項はとても美しく崇高で、究極の人類の理想のように思える。
このような9条を今の危険な政治状況のときに変える必要はないし、現実を9条に合わせるように努力するのが私たち親世代が子どもたちにしてあげれる最高の贈り物であり、私たちの存在意義であるように思えてならない。
徳島市文化センターに1000人
徳島も全国各地の9条の会の盛況ぶりの例外でなく、この日、市内で一番大きいキャパの会場はほぼいっぱいになった。呼びかけ人には戦争体験者も多く、それぞれの方の「残された自分の人生を9条を守ることに懸ける」という思いが伝わってくる。
記念講演は、20年間アフガニスタン、ネパール、パキスタンなどで医療支援活動や、井戸や灌漑用水路づくりを続ける中村哲さん率いる「ペシャワールの会」の事務局長、福元満治さん。
アフガンで軍用道路をつくるトルコの企業は、完全武装し現地の民間セキュリティと契約もしているが、これまで何度も襲撃に会い、3名の死者が出ているという。その数十m先で現地人スタッフ1000人と共に農業用水路を掘るペシャワールの会は武器も持たず丸腰だが、一度も襲われたことはないという。
中村哲さんは2年前国会で自衛隊がアフガンに行くかどうかの議論の際、証人としてよばれ「アフガンは独立国家であり、警察も軍隊もある。自衛隊派遣は混乱を招き有害無益である」と発言している。この時、鈴木宗男氏のヤジがすごかったらしい。
終了後、鈴木氏にランチに誘われ「心配しなくていい。自衛隊は人道支援として(国民を騙し)インド洋で米軍の後方支援をさせるから」と言われたとか。
中東の人たちはこれまで親日派だった。理由は、1.日露戦争でロシアと戦った。2.原爆から立ち直った。3.中東に利害介入していない。しかし、自衛隊のインド洋以来、これまで日本人として中東で誇りにつけていた4輪駆動の日の丸を塗りつぶしたという。襲われる可能性が出てきたのだ。
小泉さんがよく「国際貢献」として自衛隊のことをいうけれど、ペシャワール会の活動のように武装しない組織を派遣することで出来ることは無限にあるのだ。そして民主党がいう「国連軍の下での世界の軍隊としての国際貢献」でなく、9条の理念をもっともっとしっかり世界に発信することにさまざまな工夫やアイデアを凝らすべきではないかということを、この日の話を聞いてさらに確信した。
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