11月22日
犬の救出劇、TVで全国中継
徳島市の眉山の斜面の崩落防止用コンクリート枠(高さ40メートル)にどこからか入り込んで降りられなくなった子犬(生後6ヶ月くらい)の救出劇がTVで全国中継された。レスキュー隊員の努力の甲斐あって、この日発見から6日ぶりに無事保護されたようだ。可愛らしいメス犬で、予想どおり、全国から引き取り手が殺到しているという。
しかし、動物愛護センターでは・・・
緑の徳島ネットワーク(超党派の議員などが世話人となり、学習会を企画・運営)に、世話人のひとりSさんの英会話の先生、スーザンが涙で訴えた。コピーライターのAさんが文章をつくり、スーザンの犬とネコの写真を合わせて、チラシができあがった。
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徳島県では昨年、
7721匹の犬とネコが
ガス室に送られ死んでゆきました。
この数字が示す現実を
まず、私たちは知らねばなりません。
目をそらさず、向き合わねばなりません。
そして、飼っている人も、飼っていない人も、
みんなで考えましょう。
捨てないために、殺さないために、
私たちにできること。
緑の徳島ネットワーク第3回勉強会
「捨てること=殺すこと」
犬やネコのいのちを考えるシンポジウム
11月4日 ふれあい健康館ホール
多くの動物がかけがえのない存在として、愛情や信頼に満ちた素晴らしい関係を人と結ぶ一方で、毎日毎日小さないのちが安易に飼われ安易に捨てられ、もがき苦しみながら死んでいくのだということを、あなたは知っていましたか?緑の徳島ネットワークでは、人と動物が共生できる社会づくりをめざすNPO法人アニマルレフュージ関西[ARK]代表エリザベス・オリバーを招き、市民のみなさんとともに、捨てないために、殺さないために、私たちにできることを考えたいと思います
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眉山の子犬の救出劇を見て、このシンポジウムに関わった全ての人、この事実を知っている全ての人が同じことを思ったに違いない。「TVに写った1匹の犬だけでなく、殺されるたくさんの犬たちのことも取り上げてほしい!」って。
かわいそうな話は聞きたくない!
これまでどちらかといえば固い政治・行政の学習会をやってきた私たちのグループは、スーザンの申し出に喜んだ。「これまで私たちと接点のなかった犬やネコの大好きな人たちに、政治や行政について考えてもらうきっかけとなるのではないか?犬猫好きは沢山いるし。」と期待した。
ところがチラシを配り初めての反応は悪かった。「こんなかわいそうな話、聞きたくない。」という声が圧倒的に多いのだ。意外な反応に私たちは考え込んでしまった。「かわいそうだから聞いてほしい」「かわいそうだから変えたい」のではないのか?しかし、世の中甘くはなかったのだ。
というわけで、徳島市内でのイベントではあったが、吉野川市内でも「犬好き」「ネコ好き」の情報を集め、チラシを持ってお願いに行くという作業をシンポジウムまでラスト1〜2日となってからやらなければならなくなった。
庭先で犬に噛まれるという名誉の負傷もしながら、(悪いのは私です。怖がらずに近づいてしまうので、センシティブなワンちゃんを驚かせたのでしょう。)他のメンバーもポスティングや新聞折り込みをやってくれて、なんとか参加者は100人を超え、会場からも八万地区の「地域ネコ」の感動的な話も出て、いいシンポジウムになった。
今後も「知らせる」ことを続けていくことが大事だし、継続的なミーティングで対策を講じようとスーザンは張り切っている。県動物愛護センターからも職員の獣医さんがパネラーとして参加して下さって、誠実に対応していただき、感謝したい。
おまけ わが家の犬たち
ものごころついたときには家にはいつも犬がいた。実家の父は第1子の私が生まれるまでは8匹も飼っていたらしい。と言っても、みんなが犬を放し飼いにしていた古き佳き時代だ。いつの間にか、犬はつないで飼わねばならなくなり、私が高校生の頃くらいまでは放し飼いでも近所から苦情もなく、犬はいたっておとなしく、道行く人に吠えもせず、飛びかかることもなく、静かに家族を愛し、静かに逝った。
今の夫の家に来ると、大きな犬が2匹。夫の父は精神科・内科の医者だったが、とても流行っていた診療所の診察机の横に、大きなタロウ(紀州犬)が寝ていたのにはびっくり。往診にも車の助手席に座ってちゃんと義父についていった。もう一匹のハナコは、フィラリアの末期症状で腹水がたまり苦しそうにしていた。それを見る義父も辛そうで、難病を抱え病状の思わしくない義母もいて、義父が悲しそうにハナコの世話をする背中が痛々しかった。
私は週に一度看護士の叔父と二人でハナコを石井町の獣医さんに連れて行き、約1時間かけて腹水を抜いてもらうハナコを押さえる役だった。この頃、まだフィラリアの予防薬が良く流通していなかったのだろう。
そうこうしているうちに、隣が飼っているメス犬がうちの倉庫で9匹も子どもを産み、夫の妹(名前は私と同じ「よしだますこ」!)がほ乳瓶で世話をし、新聞に広告を出し、もらい手を探した。広告を見て来た人がその時残っていたメス犬をみて考えていると「避妊手術はうちが費用をしますから」と妹が言い、となりの犬が産んだ子犬にそこまでする家族にびっくりしたのだった・・・。
そんな家庭で他にもいろいろな動物に囲まれてわが二人の子どもは大きくなった。私が来て22年、吉田家に来た犬たちは全部で10匹。それぞれ幸せに個性的にいきいきと暮らし、天寿を全うした犬、事故にあった犬もおり、今は3匹のメス犬たち(16歳、6歳、3歳)が大人だけになったわが家に癒しを与えてくれている。
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