吉田ます子のでんでん日誌 |
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活動日記 2011年5月4日 |
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6月6日 この日の地球人カレッジは、イラク開戦が心配された2002年から2003年にかけて、「人間の盾」としてイラクに入り、水道施設などに立てこもった経験から、その後NPOをつくりイラクも子どもたちの支援を続けている相澤泰行さんが講師。彼の話を聞くのは4回目(!)だったけど、一人でもたくさんの参加者があることで地球人カレッジを盛り上げるという役割のために参加した。(これってもしかして内助の功?地球人カレッジの主催は夫が代表のNPOなのです。)
インターネットで様々な情報が流れる今日、私たちは本当に知っているのか?五感を通した知識こそ本物。なぜ暴力が続くのか。すぐには止められないかもしれないけれど、関心を持てば暴力や戦争も起こり難いのでは?03年2月「止める力になれば」と人間の盾としてイラクへ。 イラク 2500万人の半数以上が子どもたち、教育・医療は無料、湾岸戦争での経済制裁、中東アラブ地域で女性の社会進出が最も進んでいる国がイラク。しかし、劣化ウラン弾の影響で白血病による子どもの死亡率は80%、経済制裁によって医薬品が届かないせいか・・・。この15年間経済制裁(国連を通じて私たちも加担している)を受け続け、150万人の子どもたちが亡くなった。彼が会った片足のない17歳の女の子は「平和だけがあればいい」と言った。
人間の盾と遺体収容作業 何万人もが集まれば戦争を止められるかもしれないと「人間の盾」としてイラクへ入ったが、結局集まったのは300〜400人で、浄水場や発電所など重要施設に泊まった。もともともてなしの文化を持つアラブ地域らしく、戦争中でも食事に招かれた。人々は親日的。「ヒロシマ、ナガサキを乗り越えた日本はすごい!」「それなのになぜアメリカについていくの?」と言われた。日本の自殺者は年間3万人だと言っても信じてくれない。終いに「日本は本当に平和なのか?」と怒り出した。 10名くらいでイラク人の遺体収容のボランティアをした。殺戮の映画には「におい」がない、と強調する。(同じことを高遠菜穂子さんも言っていた)飛び散った内臓、腐乱した死体に漂う腐敗臭に、ゲェゲェ吐きながらの収容作業、遺族も悲しみにくれながら泣きながら吐いている。一生忘れられないにおい・・・。 2003年よりPEACE ON というNPOをつくって、障害のある子どもたちの施設にスクールバスを送る(お金を送って現地で中古車を買う)活動、イラクと日本の子どもたちどうしの絵日記交換など文化交流活動などにとりくんでいる。「焼け石に水」ではないかと迷うときも「何ができるか?」と訪ねたときのイラクの友人の言葉「イラクを忘れないでほしい」を心に刻んでいるという。 人間の盾に意味はあったのか? 相澤さんは、話を聞くたびにいい男になっていくな、というのがこの日の感想。人間の深みを増していくのがわかるのだ。最近結婚したせいばかりではない。この日一番心に残った彼の言葉「イラク戦争を止められず、批判の多かった「人間の盾」に意味はあったのか?身近な人を悲しませてしまった。「人間の盾」とは自分の生命をダシに恐喝とも言える行為、暴力の一種ではないのか?」「それを正しい行動だった、と言うつもりはないが、その背後にあるもっと巨大な暴力を忘れてはならないと思う。」それは、深く悩み考え抜いた、そして今も悩み続けているであろう彼の魂の声なのだろう。 「人間の盾」という行為に「自分は命をかけて戦争を止めようとしたのだ」という正当性のみを主張し、それを吹聴して生きて行く生き方があるかもしれない中、相澤さんのこの言葉は私の心を打った。亡くなった人たちの分まで本当に真剣に生きようという無意識の意識が心の奥を掘り下げるのかもしれない。ピュアな青年の心がすがすがしく、胸がいっぱいになった。 *もう15年近く続いている地球人カレッジは毎月とてもいい話が聞けるのだが、参加者が少なくてとてももったいないです。 |
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