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11月3日
ダムと天下り〜川シンポ2日目〜
2日目は徳島で九条の会の総会があったので京都を出なければならず参加できなかったのだが、2009年になって、立派な報告書が送ってきた。面白くて2日目の報告を隅から隅まで読んでしまった。そこには、どうしても多くの人に伝えておきたいことが書かれてたので、データを転載させてもらうとしよう。
それは、まさのあつこさんの報告だ。彼女はダム問題のあるところにはどこにでも出没する。木頭村の細川内ダムの問題でも活躍してくれた人だ。確実なデータと説得力ある語り、そのたくましい生き方とはちょっと似合わない、小柄でとても可愛い女性。彼女のことをとてもよく表したサイトがあったので、是非読んでください。まさのあつこさんの生き方
吉野川や淀川のような1級河川でダム計画のもとになる「基本方針」がつくられるのは、社会資本整備審議会の河川整備基本方針検討小委員会。委員の人選は国交省。淀川の場合、主な委員の構成はこちら↓
社整審・河川整備基本方針検討小委員会の「天下り」参加
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河川整備基本方針検討小委員会委員肩書き (淀川水系の審議) |
元(兼)職 |
委員長 |
近藤徹 |
(財)水資源協会理事長 |
元河川局長/元水資源公団総裁、現(社)日本河川協会会長 |
委員 |
綾日出教 |
(社)日本工業用水協会顧問 |
学者 |
委員 |
石島操 |
全国森林組合連合会代表理事専務 |
元林野庁森林整備部長(H14)/元(財)林業土木コンサルタンツ副理事長 |
委員 |
岡本敬三 |
(財)林業土木コンサルタンツ顧問 |
? |
委員 |
金盛弥 |
元大阪府都市開発株式会社社長 |
元大阪府土木部都市河川課長→土木部長→副知事 |
委員 |
坂本弘道 |
(社)日本水道工業団体連合会専務理事 |
元厚生省生活衛生局水道環境部長 |
委員 |
佐藤準 |
全国土地改良事業団体連合会専務理事 |
元農水省農村振興局次長 |
委員 |
浜田康敬 |
(独)水資源機構理事 |
(財)産業廃棄物処理事業振興財団専務理事/厚生省生活衛生局水道環境部長 |
委員 |
森田昌史 |
(財)日本水土総合研究所理事 |
元農水省構造改善局次長 |
委員 |
山脇康典 |
(財)淡海文化振興財団理事長 |
滋賀県出納長→副知事 |
国交省ウェブなどから作成。26委員のうち学者・地元業者は除いた。 |
四国肱川の山門坂ダムの環境調査を受注している業者への天下りはこちら↓
山鳥坂ダム環境調査関連事業受託と天下り(01年から06年) |
落札業者 |
契約業務 |
契約件数合計 |
指名
競争
入札(件) |
随意
契約(件) |
合計落札金額(円) |
平均落札率(%) |
再就
職者
数(人) |
(株)四電技術コンサルタント |
平成13年度 山鳥坂ダム鳥類(重要種)調査業務委託など |
17 |
12 |
5 |
353,845,000 |
96.7 |
1 |
(株)建設技術研究所 |
平成13年度 肱川下流環境調査業務委託など |
8 |
1 |
7 |
190,780,000 |
95.1 |
1 |
日本工業(株) |
平成15年度 山鳥坂ダム環境調査とりまとめ業務委託など |
9 |
1 |
8 |
152,790,000 |
86.1 |
1 |
(株)建設環境研究所 |
平成13年度 肱川魚類(遡上期)調査業務委託など |
6 |
5 |
1 |
115,630,000 |
95.7 |
1 |
(財)ダム水源地環境整備センター |
平成13年度 山鳥坂ダム環境影響評価に関する検討業務委託など |
5 |
|
5 |
86,800,000 |
|
3
(*) |
国土環境? |
平成15年度 山鳥坂ダム環境調査(哺乳類)業務委託 |
4 |
1 |
3 |
79,610,000 |
55.9 |
2 |
特定非営利活動法人風土工学デザイン研究所 |
平成16年度 山鳥坂ダム風土資産調査業務委託など |
3 |
|
3 |
42,300,000 |
|
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住鉱テクノリサーチ(株) |
平成15年度河川水質採水分析業務など |
3 |
3 |
|
40,200,000 |
93.5 |
|
(株)エイトコンサルタント |
平成13年度 肱川下流感潮域水環境調査業務など |
4 |
1 |
3 |
40,050,000 |
98.1 |
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(株)西日本科学技術研究所 |
平成13年度 鹿野川ダム環境調査業務委託など |
6 |
1 |
5 |
17,500,000 |
95.1 |
|
(財)愛媛県総合保健協会 |
平成13年度 河辺川水質採水分析業務など |
2 |
2 |
|
17,500,000 |
95.3 |
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アジア航測(株) |
平成14年度 山鳥坂ダム猛禽類調査業務委託 |
1 |
1 |
|
16,700,000 |
68.4 |
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(株)アイ・エヌ・エー |
平成15年度 山鳥坂ダム植物(重要種)調査業務委託 |
1 |
1 |
|
8,000,000 |
92.5 |
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(株)パスコ |
平成17年度 山鳥坂ダム環境調査(騒音振動)業務) |
1 |
1 |
|
3,300,000 |
88.7 |
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合計 |
70 |
30 |
40 |
1,165,005,000 |
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福山哲朗参議院議員が国交省から入手した資料より作成 |
*(財)ダム水源地環境整備センターの08年2月時点の再就職者数は役員に5人 |
関東の各都県で住民訴訟となっている八ツ場ダム(1952年計画。工業用水の節水技術、人口減少などの理由により当時の建設目的の利水は正当性がなくなってきている。工事費は2度の計画変更により、2100億円から4600億円に上昇、将来の起債利息も含めると8800億円に上るという。全て税金もしくは未来世代へのツケである。)関連受注の公益法人と天下りはこちら↓
八ツ場ダム関連事業受注 |
公益法人への国交省天下り |
平成15年から17年度八ツ場ダム関連事業落札公益法人 |
国交省
天下り数 |
受注
件数 |
受注額(円) |
(財)ダム水源地環境整備センター |
4 |
20 |
838,490,000 |
(社)関東建設弘済会 |
2 |
14 |
657,300,000 |
(財)ダム技術センター |
2 |
6 |
111,600,000 |
(財)日本気象協会 |
6 |
1 |
28,000,000 |
(財)国土技術研究センター |
6 |
2 |
24,500,000 |
(財)水資源協会 |
3 |
1 |
17,000,000 |
(財)建設物価調査会 |
2 |
1 |
54,300 |
2006年6月長妻昭衆議院議員請求・国交省回答資料より作成(現在は6増えて31ポスト) |
*(財)建設物価調査会−H15建設資材価格調査 |
*(財)日本気象協会は−H13八ツ場ダム周辺気象状況把握検討業務 |
そして、受注企業にもちゃんと天下りはいる、こちら↓
八ツ場ダム関連事業受注 |
企業への国交省天下り |
平成13〜18年度八ツ場ダム関連事業 随意契約 民間企業 |
国交省天下り数 |
受注件数 |
受注額(円) |
(株)建設環境研究所 |
1 |
8 |
329,700,000 |
国土環境(株) |
2 |
4 |
201,600,000 |
八千代エンジニヤリング(株) |
2 |
3 |
97,335,000 |
東京コンサルタンツ(株)関東支店 |
1 |
2 |
78,435,000 |
(株)長大東京支社 |
1 |
2 |
69,930,000 |
(株)アクアテルス高崎事業部 |
5 |
2 |
42,703,500 |
いであ(株)東京支社 |
1 |
1 |
39,585,000 |
応用地質(株) |
1 |
3 |
26,670,000 |
(株)建設技術研究所東京本社 |
1 |
2 |
18,480,000 |
三井共同建設コンサルタント(株)北関東支社 |
1 |
1 |
16,170,000 |
(株)オリエンタルコンサルタンツ |
1 |
1 |
9,975,000 |
(株)東京建設コンサルタント |
2 |
1 |
5,670,000 |
(株)テクノプラン |
2 |
1 |
3,255,000 |
大河原雅子参議院議員入手 国土交通省河川局治水課2007年9月25日データより作成 |
誰のためにダムがあるのか、この資料から見えてくるではないか。
これらのデータは、福山哲朗、長妻昭、大河原雅子、いずれも民主党国会議員入手のデータから作成されている。政権交代により、天下りを含む官僚支配から少しでもこの国が脱皮できることを願うばかりである。
この他面白い話満載、2日間の全てが詰まった報告書は、ます子事務所にあります。このデータをエクセルに打ってくれたます子事務所スタッフのHさんは、加藤登紀子さんの話を読んで泣いてしまったそうです。1500円でお求めになるか、貸し出しもしますのでご連絡を。
カワってく住民
そして最後に、京都宣言を掲載します。社会を変えることは結局自分が変わること。そのことに気づく人たちが少しずつ増えている。これから何をしていこうか、私自身も悩むところである。
京都宣言
淀川は川ではなく水路になっています 琵琶湖はもはや死に瀕しています 淀川と琵琶湖の生命(いのち)が危ういのです 川に育まれる生き物たちの生命(いのち)が危ういのです 私たちの生命(いのち)が危ういのです この状況は全国の川や湖でも同じです このような川と湖を子や孫に引き継ぐことはできません これまでの「川づくり」を根本的に変えなければなりません もう行政にだけ任せてはいけません 任せてきた結果が現状なのですから 私たちは 川や湖を傷めつけてきた責任を痛感し 一人一人が考え方や生き方を変えることによって 川と湖の再生に取り組みます
2008年11月3日 川の全国シンポジウム−淀川からの発信−
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