3月20日
イラク開戦5周年〜世界中でピース・ウォーク〜
イラク開戦5周年のこの日、例年のように藍場浜公園を中心にピース・ウォークが企画された。5年前、1月の山川町長選挙に敗れた私に、4月の県議選への出馬を望む声があった。もちろん賛否両論あり。「3ヶ月に2回も選挙に出ることで、支援者にご迷惑をかけられない」と、不出馬を決めていた私は、3月20日、大田知事不信任とイラク開戦により「やっぱり政治を変えなければ!」と決意を固めた。その記念すべき日が今年もやってきたのだった。

イラクへの空爆は昨年1447回、民間人が2万4千人亡くなった。地雷と不発弾は2500万発、5年間で数10万人のイラク国民が犠牲になり、アメリカ、イギリスを中心とした連合軍兵士の犠牲者は約5千人。これは、9.11の犠牲者約3千人を大幅に超えている。
イラク戦争の大義はなかった
「1.大量破壊兵器」も見つからなかったし、「2.サダム・フセインが9.11に関与した」証拠もいまだ何もなく、「3.イラクが相当量のウランをアフリカから入手、核武装か」というイギリスの情報もでっち上げ立ったことがわかり、イラク攻撃の3つの大義は、実は何もなかった。これを今やアメリカ自身が認めているのだ。が、亡くなった人たちは還ってこない。
アメリカ、そして日本では
PTSDに苦しむ米帰還兵も多い中、2007年度の米兵の自殺は121人、イラク戦前の6倍という。兵士不足解消のため、米政府は補助金と引き換えに公立高校の生徒全員の個人情報を軍に提供することを法律で義務付け、経済格差の大きな国で、親の病気や失業で生活に苦しむ少年のところに軍がリクルートに出かけているという。
このアメリカのイラク攻撃を後押しするインド洋の海上自衛隊の給油である。
2007年の参議院選挙の結果、民主党の大勝利により,参議院は与野党が逆転、イラク特措法が期限切れとなり、一旦インド洋から海上自衛隊が帰ってきた。このときは「私の1票で戦争加担を止められた!」と感無量だった。しかしその後1月、衆議院での57年ぶり3分の2再議決(強行採決)により、自衛隊は再びインド洋に…。
アメリカの軍事費は50兆円、国家予算の約20%。日本も30兆円分のアメリカ国債を買うことで、戦争に貢献している。私たちが日本の郵便局や普通の銀行に30万円預・貯金すると、そのうち5万円が米国債に、その20%の1000円が武器・爆薬を購入する軍事費に回る計算だ。
寒空の下に
実行委員会には出席できなかったものの、この日だけはとJRで徳島市に。
藍場浜公園には100人あまりの市民が集結、中心市街地を歌いながら歩いた。赤ちゃんを含む小さな子どもたちの参加もあり、子どもたちのために平和を作らねばと想いを強くする。でも、歩きながら「願うだけ、歩くだけでは平和は実現しない。お金の流れが世界の流れを決める。」と今年出版された、田中優さん+A SEED JAPAN エコ貯金プロジェクト編「おカネで世界を変える30の方法」を思い出していた。

ヨーロッパでは兵器産業に投資せず、環境や社会に貢献する企業のみに融資する、ソーシャル・バンク(社会的銀行)が多数あるという。有機農業や自然エネルギーを進める事業者を支援するために融資する。
オランダ政府はこうした環境保全型の預金・投資に対しては税制優遇、利子にかかる税金を免除しているという。
ベルギーでは兵器などを作る産業に投資を禁止するキャンペーンをNGOが行い、国会で、クラスター爆弾、地雷、核兵器製造企業への金融機関の投資を禁止する法律ができたという。
アメリカでも軍事、原発、環境破壊に関与する企業をリストアップし、そこには投資しないというファンドが多くあるらしい。
この手の動きが全く遅れている日本である。
そんな中、全国10箇所でNPOバンクが設立している。
私が出資している「未来バンク」では、最近、ペレットとペレットストーブの会社(さいかい産業)に融資を決定し、出資者を募っていたので応じたところである。
まだまだ知られていないNPOバンク、この9月、仕掛け人の田中優さんに徳島に来てもらうことを計画中だ。平和のために(そしてそれは同時に環境のため)エネルギーの自給への努力、そしてお金の流れを変えるための行動が求められている。

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