3月25日
安心して飲める水を!〜井内谷川を守る署名活動発足会〜
国交省が善入寺島汚泥不法投棄事件の現場を調査し、行為者が「耕作するための施肥」と主張しているのに対し、「みだりに汚物を河川区域内の土地に捨てる行為に該当する」と結論を出した。環境基準を超える鉛、砒素、水銀も検出された。原状回復命令が出され、占有許可取り消しの処分となった。
ここと同じものがはやり「肥料」の名の下に投棄され、耕作されていない旧井川町の多美農場2号地。直下の谷川は真っ赤に汚染され、そこは井川の簡易水道の水源なのだから大変だ!!水道水の水質基準が今は満たされているといっても、三好市による年4回の検査での窒素の値は上昇を続けている。

直下の底質(底の泥)からは、新町川河口付近の底質の10倍のヒ素が測定された。毎日飲み続けたときに健康被害が出ないと誰が保障できるだろうか。地元の人たちは遠くまで水を汲みに行ったり、ペットボトル水を購入したり、浄水器をつけたりしているが、大水の出るたびにさぞ不安が募ることだろう。
(ます子過去の県議会代表質問はこちら)
善入寺島の汚泥に対しては、国交省が河川法違反で対処したけれど、同じものが捨てられている多美農場は、国交省の管轄外であり、不法投棄を取り締まるべき徳島県の環境部局は、初めに出した農林部局の「肥料」という見解を言い訳に動こうとしない。
ある行政職員に言わせれば、行政が一度出した見解を変えることは、「先輩のしたことに泥を塗る」ことになり、出世の道も閉ざされ、大変難しいのだそうだ。そうやって組織を守っていくものなのか…。
鳥取県、片山元知事が知事就任後の職員へのあいさつで「昨日までの嘘には何も言わない。しかし、明日からの嘘は許さない」と言い、ダム建設の是非に関する隠されていた情報が次々に明らかにされていったという。飯泉知事が真の改革派なら、県行政が組織を守ろうとする体質を変え、住民の心に寄り添った政治判断をしてほしいものだ。
この日は、エコ社の役員を刑事告発した際の代理人となっていただいた石川弁護士にお話いただき、廃棄物ネット代表の深田医師が善入寺島などエコ社の一連の不法投棄事件についての概要を映像を使って井川の住民のみなさんに説明された。飲み水を守るためにたくさんの方が集まって下さっていた。

美馬市、井川、善入寺、吉野川南岸と続く一連の不法投棄事件は、「リサイクル」を中心とする国の廃棄物減量政策の限界を象徴するできごとではないのだろうか。かといって、不安に陥って生活に支障をきたしている住民を放ってよいわけではない。県の廃棄物行政が機能する日は来るのだろうか。

善入寺島では15,310人の署名が集まり、国を動かすことが出来た。吉野川市、阿波市の議員さんや行政職員、農協も動いてくれた。吉野川にも流れ込む井内谷川の汚染を食い止めるために、流域の私たちが力を合わせて、また署名を集めていこう。ご協力いただける方は署名簿をお送りしますので、ご連絡ください。
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