吉田ます子のでんでん日誌 |
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活動日記 10月15日 |
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9月6日 私が田中優さんと初めてお会いしたのは、ちょうど8年前、2000年の10月。その年は吉野川の可動堰の住民投票が行われ、国の大型公共事業のあり方が大きく問われた年だった。 優さんが理事を務める日本国際ボランティアセンター(以下JVC)の主催で「吉野川で語ろう国際協力〜環境と開発と人々のくらし」という2日間のイベントが行われ、「未来をつくる力〜アジア、日本の経験から 学ぶ〜」というパネル・ディスカッションに、清水俊弘さん(JVC事務局長:ペシャワール会(代表は尊敬する大学の大先輩:中村哲さん)で活躍中の伊藤さんが先日殺害されたアフガニスタンでも、JVCは長年精力的に活動している。伊藤さんのご冥福を心よりお祈りします・・・)、優さんとともにパネラーとして私が出演したのだった。 「ウリ ふたつ!?ODAと国内公共事業の問題」ということで、清水さんが東南アジア(ラオスだったか?)の例、私が吉野川の可動堰の例を話した。このとき、優さんは「全国、世界に無駄なダム、無駄な事業がたくさんあり、徳島のように地元の人が頑張ってその計画を止めたとしても、別の地域でまた無駄な事業が、もぐらたたきのように出てくる。それは、お金を入れ続ける人がいるからだ。お金の流れを変えることが必要だ。」と話された。優さんの話した時間はわずかだったが、会場は一気にひきつけられた。「もっとこの人の話が聞きたい!」と誰もが思っただろう。そのあと彼の本を読みあさった。どれも面白く、説得力のある内容ばかりだった。 2年前、高松に講演に来られたとき、喜び勇んで聞きに行った。徳島にも是非来てもらって、私の大好きな仲間たち、そしてもっとたくさんの徳島の人たちに聞いてほしい!その願いが、この日叶った。 その日の私の役目は、開会あいさつ。前の晩に張り切って原稿をつくったのだけれど、本番は緊張するし、その場の雰囲気(早く田中さんの話が聞きたそう)も読んで一部省略している。 (開会あいさつ) 「エコがブームになってずいぶんたちますが、CO2は相変わらず増え続け、地球温暖化への影響は大きくなってきています。ところが、日本には、CO2を減らすためのルールがありません。ひとりひとりの心がけにも限界があります。今求められているのは 社会の仕組みを変えていくこと、そのためにはCO2を確実に減らしていくための新しいルールが必要です。この星で、全ての人々が幸せに行き続けるために、あなたの声とアクションが、明日を変える力になります。」 この言葉は、MAKE THE RULE キャンペーンの呼びかけ文です。「新しいルールで地球をクールに」を合言葉に、署名、議会への働きかけなどさまざまなアクションを呼びかけています。私たちはこのキャンペーンに賛同し、キャンペーンに沿った活動や徳島独自のアクションを起こしています。 私たちは、今年1月25日、前アメリカ副大統領のアル・ゴアの地球温暖化を描いた映画「不都合な真実」を上映した際に発足しました。県内、環境・平和・国際協力・消費者運動など、さまざまな活動に取り組む、約30のNPOなどが参加しています。 この8月30日には、吉野川市内で、吉野川市のアクションのメンバーが中心となって、地元婦人会、老人会、商工会、PTA、行政も巻き込んで、ゴアの映画会をしました。郷土文化会館で850名、人口4万7千人の吉野川市でも600人以上の方たちに観ていただけました。事実を知っていただいたら、次は行動です。 そして、今日、「日本のゴア」と呼ばれ、全国を飛び回っていらっしゃる田中優さんを、半年前に捕まえることが出来て、徳島にお呼びすることが出来ました。 今日は、たくさんの人に彼のお話を聞いていただけることが出来て、主催者一同、幸せに思っています。きっと、アッという間の90分だと思います。 会場は超満員 主催するということは、運営に落ち度がないか、来場者を気持ちよくお迎えして、内容にも満足してもらえるか。イベントとして会場のキャパにあった人数がちゃんと来てくれるか、毎度のことではあるが、プレッシャーの日々が続くことになる。実行委員会の思いはひとつ、思いつく限りのあらゆる広報、呼びかけを行い、準備、ミーティングを繰り返す。今回は、来てくれた人には必ず元気になってもらえて、何かを得て帰っていただけるという確信があったので、その点は心配していなかったが、来場者数はやはり心配だった。だから、会場が超満員になったときには、すばらしいチームワーク、スタッフへの感謝の気持ちでいっぱいだった。用意していた優さんの著書も(200人の会場だったので70冊取り寄せた)は、アッという間に売切れ、サイン会には長蛇の列が出来た。
最短距離をフルスロットで 優さんの話の内容は、過去の高松講演をこのHPに掲載しているので省略するが、(youtubeにも出ています)この日、彼は予定の90分をかなりオーバーしながら、一度の水を口に含むこともなく、会場中の集中を一身に浴びながら、ひたすら喋り続けた。
夕方からは吉野川市のさくら診療所で「援助」をテーマにしての講演。「援助」というテーマは、前の晩のメールのやり取りで急に追加されたものだから、前日パワーポイントの準備でほとんど徹夜だったことを、1時間の移動の車の中で聞いた(彼があくびを連発していたので「お疲れですね?」と心配して訊いてみた)。しかし、優さんは、我が家で1時間の仮眠をとるとまた元気になって、この日2度目の講演をこれもまた予定時間を大幅にオーバーしてこなしてくれた。
ここでも、会場は咳ばらいひとつないほど集中していた。優さんにとっては日常茶飯事であるはずの講演なのに、1回づつ全力投球する姿がとても印象的だった。そして、彼の著書「戦争をやめさせ、環境破壊をくいとめる 新しい社会のつくり方」の「まえがき」に書いてある言葉をふと思い出した。 「全体状況は悪化している。だから、まるでレーサーがコーナーを攻めるように、最短コースをフルスロットで切り込んでいかなければならない。」まさに優さんはそういう気持ちで話をしてくれているのだなと思う。聞いてしまった私たちには行動を起こす責任があり、大きなヒントとチャンスが与えられたのだ。 |
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