吉田ます子のでんでん日誌 |
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活動日記 2011年5月4日 |
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2月28日 「小水力発電所の現地学習会に梼原(ゆすはら)へ行かない?」吉野川の運動から一緒に県議までしていた豊岡和美さんに誘われ、「行く!」とひとつ返事で参加した「水と大地のネットワーク」http://homepage3.nifty.com/CADE/AguaTierra/Aguatierra.htmが主催のワークショップ。 梼原は、森林組合が元気で、町産材の住宅振興やペレットの生産など林業が元気!そしてエネルギー自給を目指し、今年、全国エコタウンモデルにも指定された四国の先進地、しかも坂本竜馬脱藩の道、あこがれの地だったのだ。 昨年の川の全国シンポで活躍された「近畿水の塾」の理事長:福廣勝介さんとは脇町で合流。約4時間プリウスを走らせ、梼原町に着いて役場建物の外観にびっくり。外壁に木をふんだんに使った設計、中に入ると木のにおいで森林浴の気分だ。
シンポジウムは全国小水力利用推進協議会の小林久先生(茨城大学農学部教授:地球科学(地表環境の地学),食糧問題の展望,応用地学,計測工学,地域資源・エネルギー論)の講演から始まった。水の密度は空気の密度の約1000倍、だから水力を利用すれば、風力よりも大きなエネルギーが得られる。 太陽光や風力は天候に左右され、時間的制約(太陽光は夜間は発電しない)があるのに比べて、小規模水力ならほぼ毎日、24時間安定的な電気が得られる。水力発電というと「ダム」を連想し環境に悪い印象を受けるかもしれないが、昔ながらの水車など小規模水力は暮らしの中でさまざまに利用されてきた歴史がある。そして全国の事例、世界の事例を写真で紹介してくださった。小林先生は人懐こい笑顔のステキな方で、あとからネットでみて感性や人柄が顔に出ていらっしゃるのだと納得した。
続いて、梼原町の環境推進課・課長より、町の取り組みを紹介。町には600KWの風車が2基あり、売電したお金を環境基金として積み立て、太陽光発電に20万円/軒の補助、間伐にも国や県の補助に上乗せして10万円/ha補助、梼原町の木材と漆喰で家を建てれば600万円/軒(!!)の補助を出しているそうだ。 太陽光発電の設置率は5%を超え、全国第1位。今、町を流れる川を使った小規模水力53kwを建設中で、日中は隣接する中学校の電気に、夜は街路灯に利用される予定。余った電気は四国電力に売電。しかし、日本の売電価格はドイツに比べると約3分の一だそうで、設備投資を回収する期間が長くかかり、それが自然エネルギーの設置を遅らす大きな要因となっている。 (そのため太陽光発電の設置率がドイツに抜かれてしまった…。投資額を10年以内で償還できれば設置が爆発的に増えるそうだが、現状では20年かかってしまう。ドイツ並みにすれば、6,7年で回収できる。) 梼原の小規模水力の場合は7.2円という額を提示されているそうだ。ちなみに家庭用の売・買電は20円〜36円。つい先日、太陽光の買い取り価格を2009年度中に2倍にすることを義務付けられると報道されたが、その財源は一般消費者の買電価格に上乗せされるそうで、1家庭あたり年間100〜200円の負担増だそうだ。 梼原には他にも地熱利用の温水プールや温泉設備などがあり、小さな町にも関わらず、財政難で苦しむ町が多いご時勢、どうしたことかと職員に訊いてみたところ、大きな借金もないのだという。それで市町村合併も免れたのだろうか。
水泳の授業は清流で! つづいて、小規模水力発電の工事現場へ。梼原中学校のすぐ脇を流れる川を利用した完成間近の施設を見学。何とこの中学校はプールを廃止、水泳の授業は川でやっているという。「答えを聞いてがっかりしそうなので、子どもたちがどこで泳いでいるか質問を控えていた」という福廣さんはそれを聞くと大喜び!
夜の懇親会では役場の課長さんと係長さんに詳しい話を聞いた。メンバーは主催した「水と大地のネットワーク」の4人と小林先生、福廣さん、それに須崎市から参加の家具工さん、そして豊岡さん。カツオのたたきとイノシシ肉のすき焼きに舌鼓を打ち、宿では深夜まで民宿のおじいさん(88歳!)お手製のおいし〜いどぶろく(もちろん、無料サービスで!)をご馳走になった。 この民宿はお連れ合いと二人だけで運営されているにも関わらず(食事は外)、その清潔で行き届いたサービスに感心した。そして、このおじいさんは町の政策をよく理解し説明してくれた。自分の町に誇りを持てるっていいなぁ、羨ましいなぁ、と思った。同行の水と大地のネットワークのメンバーは、中米グァテマラの元青年海外協力隊員が中心で、帰国後も支援を継続しているというさわやかな人たちで、彼らの苦労話をどぶろくの肴に、夜は更けていったのだった。
温かい越知の人々 翌日は、梼原から車で2時間の越知町へ。前日の講演会に参加していた小規模水力導入を模索する越知のみなさんのリクエストに応え、小林先生が現地でアドバイスをされるのにお供することになった。越知町は地元の小学校も休校となり、過疎化、高齢化に悩む町、かつて暮らしたことのある高知の清流、仁淀川流域の町だ。お昼には集会所で、バラ寿司、今朝つぶした雉料理など地元の食材を使ったご馳走を用意してくださって、高知の方々の笑顔と人情に心温まる2日間だった。
高知県には美味しいもの、頑張っている町や村がたくさんある。徳島も負けていられない。四国でエネルギーや食糧を自給できるようになればいいな。 |
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