7月13日
息の長い運動を〜園瀬川流域環境保全の会総会〜
ただ一度の調停も行うことなく審議を打ち切り、468人の申請人の思いを踏みにじった徳島県初の公害調停。園瀬川流域環境保全の会を中心とした住民は、その落胆や怒りをどこに持っていったらいいのか?
「この公害調停をよく検証しよう」という村田弁護士の言葉をかみ締め、「水見張り隊」による水質調査などを続けながら、申請人や会員への報告書作成、ニュース発行、世話人会での話し合いを重ね、3回目の総会を迎えた。
「検証する」とは具体的にどういうことか?村田弁護士の提案にヒントを得て、総会はある決議をした。これは、今は秘密。8月をお楽しみに!

全国処分場問題ネットワーク
総会の基調講演は、全国処分場問題ネットワーク共同代表の藤原寿和さん。5月末に行われた再建総会に出席した廃棄物ネットや園瀬川流域環境保全の会のメンバーが、会場の豊島で出会った元東京都職員(今年の春、定年退職)。
約30年前、都の公害局が隠し持っていた六価クロムの埋められている地区のデータを知り、内部告発したのが廃棄物問題と関わるきっかけだそうだ。まだ廃棄物への法規制が何もなかった頃で、その後、有名な六価クロム事件となり、全国の工場に立ち入り検査が入り、昭和52年の産廃規制へとつながったそうだから、藤原さんはすごい人!ネットで見てみると、その後も東京都職員でありながら、数々の住民運動を公然とリードしているのだから本当にすごい!!
処分場問題ネットワークは、安定型処分場を廃止するべきなどの課題から、この5月に再建総会を開いた。というのは、安定5品目(1.廃プラスチック類、2.ゴムくず、3.金属くず、4.ガラスくず・陶磁器くず、5.建設廃材)は、有害物質が溶け出さず「安定」ということで、遮断シートもない素掘りの穴に、排水設備もなく廃棄物が埋められているのだが、本当に「安定している」かというと、そうではない。
処分場建設前、許可前の差し止め裁判の判例では、「安定5品目以外が入ることは避けられない」と判断され、ほとんど住民側が勝訴しているという。また、国立環境研究所により、シュレッダーダストを安定型に入れることを認めていた時期もあるそうだ。もちろん、プラスチックからは有害物質が揮発しており、「安定5品目自体が危険」でもある。日弁連も「安定型処分場が今後新規に許可されないよう求める意見書」を2007年8月に出している。
長く続けていくために
しらさぎ台の問題だらけの処分場で、県の指導で作成した終了届けを、実際は、ほとんど県職員が作成し、設置者は署名をしただけということで、「公文書偽造」で刑事告発していた。
許可切れから16年も過ぎての突然の終了届けは、住民が騒ぎ出したので、この処分場を早く閉鎖してしまいたい行政の誘導なのか。告発の結果は不起訴。その理由が「終了届けはまだ出ていない。」のだという。
県議会でも「終了届けが出された」と答弁しているのになぜ?
調べてみると「添付書類がないので正式書類と認めない。」との環境省の見解を引き出した。「違法な処分場を閉鎖する手続きに待った!をかけることが出来た。」と村田弁護士は評価。
住民が疲れて運動が終息するのを待っているかのような県の態度だけれど、総会では「長く続けていくために」「初心に返り、美しい園瀬川を未来に引き継げるように、少しづつ息長く力を出し合い、調査が実現するように頑張ろう」と確認した。この日は暑い暑いお天気。明日は井川町の多美農場に藤原さんをお連れします。
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