2月1日〜3日 カンボジアへ
アフリカを活動の現場としていたTICOが、アジアに進出することになった。5年間の内戦状態の後のポル・ポト時代に200万人といわれる市民の大虐殺が行われたカンボジアだ。
東南アジアで最も貧しい国といわれているこの国に、香川県のNPO「セカンドハンド」が、この14年間、学校や診療所建設などの協力を行ってきた。これまでの援助額は1億円を超えたそうだが、全てリサイクル品とカンボジアグッズの売り上げから賄ったという。前代表:新田恭子さんとひょんなことからお近づきになったTICOが、(詳しくは過去のHP参照)今年度より、貧しい人々への救急を含む医療体制を少しでも改善しようとこの国で力を合わせることになった。

セカンドハンドの支援により完成したお産病棟
今回は、JICAの支援により始まる首都プノンペン市西区の地域医療の向上を目指したTICOとセカンドハンドの合同プロジェクトの開始式にTICO代表である夫が招待され(といっても旅費は自費)、セカンドハンドより寄贈された救急車を含む3台の車両と、関西の医療機器の会社などから寄贈されたエコー(超音波画像診断機)2台などの医療機器や医療資材の贈呈式も行われた。
「カンボジアを見るチャンス!」と夫にくっついていくことを決めた私に、エコーの贈呈役が当たり、州の副知事と握手する場面も地元のTVでしっかりと放映された。州知事と笑顔で握手を交わす自分の姿を見て、「う〜ん、4年間で身についた政治家の貫禄かも!」と複雑な感動。

セカンドハンドの支援で送られた3台の車両

贈呈式

贈呈式

州副知事と握手

式典後、市のスタッフと
あふれる活気とスラム地区
主要道路はきれいに舗装され、ものすごい交通量で、50ccのバイクに3人乗りは普通、4人乗り、5人乗りも珍しくない。ヘルメットもつけずにとばしている様子にハラハラだ。左ハンドルの右側通行に慣れないこともあって、道路を横断するのにも苦労する私たち日本人を尻目に、現地の老人がスイスイと渡っていく。町にあふれる人々の年齢の若さが印象的だ。子どもや若者がほとんど!!
山川に住んでいると、昼間会うのはほとんどが還暦を過ぎた人ばかりだというのに、ここカンボジアには子どもたちがあふれている。考えてみれば日本の子どもたちは学校に行っているか、家の中にいるか、塾かスポーツクラブだ。外で遊んでいる子がいなくなって久しいのだ…。

少し郊外に行くと、かつて田んぼであったであろうところにあちこち土が運び込まれ、埋め立てラッシュ。開発により都市を追い出された人たちのスラムを訪れた。


郊外の診療所には機材は全くなく(レントゲンさえ)、TICOのスタッフも「地域医療の実態はかなり深刻な状況」と何から手をつけていいのか悩んでいる。

机と椅子だけの診療所

救急車内の整備をするTICO研修生,救急救命士の井原さん
1回US100ドル払わないと救急車に乗れない(ただし民間所有の救急車)国で事故が頻発。とりあえず、公共の無料救急システムの構築を模索しながら、地域医療の可能性を探っている状況である。ちなみにカンボジアの一人当たりの年間GDPは200ドル、日本の200分の1である。
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