吉田ます子のでんでん日誌 |
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活動日記 2011年5月4日 |
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5月4日 小沢一郎を支持し、改革を進めたい人たちの集まりである「徳島一新会」には、新年会や忘年会に顔を出させていただくことがある。かつて県議会の会派の部屋がお隣だった長池県議が現代表で、もともと、阿南市の岩浅市長がつくった会だという。3月の秘書逮捕以来、政権交代に向けた大きな風がどうなっていくのか心配なところ。この日は「小沢一郎を励ます会をしたい」という長池氏の要望に応え、小沢氏の盟友で元参議院議員の平野貞夫氏の講演が行われたので行ってきた。
逮捕の衝撃 今年3月3日、お正月に出来なかった里帰り、親の顔を見てホッとした夕刻、TVのニュース画面にしばらく呆然として動けなかった。そこには「小沢一郎公設第一秘書逮捕!!」のテロップ!!「まさか???」 準大手のゼネコン西松建設の社員らがつくる2つの政治団体からの寄付を、小沢氏の後援会が 3年間で約2,000万円受け取っている。このこと自体は何ら違法ではない。しかし、この政治団体への西松社員らの会費が、実際は西松建設よりボーナスなどで補填されていたことから、小沢後援会への寄付は実質西松建設からの寄付に等しい。だから、それを知っていたはずの秘書が、収支報告書に実体のない政治団体名を記載したのは「虚偽記載」の疑いだということでの「逮捕」だという。 「えっ?それって違反じゃないのでは・・・?」というのが私の第一印象。西松建設自身からの寄付だとしても、今の法律(政治資金規正法)では、企業から政党への寄付は堂々と認められているのだ。私は、企業の政治献金は本来認めるべきではないと思うが、今の法律では認められている。だから「西松建設」と記載すべきというのなら、その寄付を一旦民主党を通して小沢後援会に「迂回」献金させれば今の法律では合法、口利きをしていたわけでもなし、これで「逮捕」までするというのは納得がいかない。 小沢秘書逮捕を考える視点その1〜企業献金の是非 国民がこの問題を考えるときに、二つの視点が必要だ。その第一が、企業献金の是非。政治家は多額のお金をもらっている企業に対し、公明正大な公共の福祉の視点で仕事ができるかどうか?法律がつくれるかどうか?実際、人情として難しいのではないだろうか。小沢氏は野党なのだから、西松建設に対して便宜を図ることはしにくいだろうが、与党であったらどうか。また、多額の献金が必要なほど政治活動にお金がかかることが問題。 自民、民主の若手政治家が公表したところによると、お金を使っていない人で年間4千万円、多い人で1億円、与党の中堅以上となると、年1〜2億円だという。(参考:江田けんじさんのサイト) 政党助成金として1千万円、経費として1,200万円が支給される以外は献金で賄わねばならず、個人献金の習慣のあまりない日本では、企業献金が幅を利かせるということになるようだ。お金をかけない選挙、お金をかけない政治、を意識して制度化しなければ、きれいな政治は実現しないし、大企業優先社会は変わらない。小沢氏率いる民主党は逮捕をきっかけに「企業献金全面禁止」をマニュフェストに加えた。政権交代後に実現すれば、まさに「瓢箪から駒」かもしれない。 視点その2〜政権交代目前の時期に代表秘書逮捕?! これがこの日のメインテーマ。平野氏は昭和9年の帝人事件を引き合いに出した。この事件では、帝人株の贈賄の容疑で財界人、大蔵省次官など16名が逮捕されたが、3年半後に全員無罪確定。しかしこの事件で軍の政治介入に歯止めをかけたい斉藤実内閣(軍出身だがリベラル派)はつぶされ、政党政治が没落、その後の天皇機関説事件の言論封鎖、2.26事件、そして軍の政権支配から太平洋戦争へと突き進んでいったのだ。 平野氏は、今回の小沢秘書逮捕は、帝人事件で国の流れが悪いほうへ変えられたように、戦後初めて国民の手で成されようとしている選挙による政権交代の流れを阻もうとする、民主主義への挑戦であり、いま国民が試されているのだと力説した。 小沢氏の無念さが理解できるし、悔しいと思う。尊敬する田中優さん(メルマガ)や地球村の高木さん(彼は民主党支持ではないが政権交代を必要と思っていて、4月の山川でのトークでは、1万回もの講演を続けてきたこの30年で一番のショックは小沢事件だと言っていた)も小沢さんを擁護するコメントを出している。 しかし、世論はマスコミが騒いだとおりに反応する。政治資金規正法がどうだこうだとは伝わり難く、よくよく興味があって自分で調べる人でない限り、「秘書逮捕=黒い疑惑=犯罪」と結び付け、イメージダウンとなってしまうのだ。世論調査では代表が辞任したほうが良いと思う人がとても多数だし、2月には圧倒的に民主党支持が多かった無党派層も、自民党支持に戻ったり宙ぶらりんになったりだ。 この秘書逮捕により、何か巨大な権力による世論操作が完全に成功した。その巨大な権力とは何か?官僚の最後の抵抗という見方もあり、政権与党の悪あがきという見方もある。私は小沢氏の在日米軍第7艦隊発言がアメリカの怒りをかったのではないかという説が有力だと思う。日本にもCIAのマスコミ操作はありうる話なのだろう。(CIAは、アメリカの傀儡政権である国々などで、人々が民主化を求める動きをキャッチしてはそれをつぶすために世論操作をしている。民族紛争や宗教による摩擦も、実は彼らがあおっているというのが、知る人ぞ知る話しである。) 徳島では さて、民主党が総選挙に勝利するために小沢氏が代表を辞任すべきかどうか、私には正直わからない。世論調査の結果を見れば、代表を交代したほうが理解を得られそうだし、得策のようにも思える。応援している3区の候補者の仁木さんが小沢氏とのツーショットのポスターをこの時期に貼るのはマイナス効果とも思う。心情的には小沢さんに踏ん張ってほしいのだけれど、政権交代のことだけを考えて非情(?)になるのがいいことなのか? 徳島の民主党県連が、今回の励ます会の扱いにデリケートになったことは、選挙に向けて命がけで活動をしている候補者の立場を考えると理解できるし、けして責められないと思う。かといって「励ます会」を主催したかった人たちの悔しい気持ちも講演を聞いて理解できた。ここで一番良くないのは、両者の間がギクシャクして溝が出来たり、しこりが残ることだ。政権交代に向かって、一致団結しなければならない。政権交代で何もかも変わるとは思わないが、自民政権のままでは決して何も変わらないし、破滅へのジェットコースターから降りられないのは確かだと思うから。 ※この原稿を書いた直後に、小沢一郎さんは民主党代表を辞任した。「政権交代」のためには、身を引いたほうがいいとの判断だ。誰が代表になっても、初の「選挙による政権交代」を実現してほしい。 |
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