2月15日
幻に終わった市長選マニュフェストへの申し入れ
32団体の賛同を得て大成功に終わった徳島市での「不都合な真実」上映会。さあ、次はどんなアクションを起こそうかと、俄然やる気が湧いてくる。そんな中、4月6日投開票予定の県都:徳島市長選のことが頭をよぎった。温室効果ガスの代表格であるCO2の全排出量では、家庭の割合が12%、全体の8分の1に過ぎない。
「個人の努力」には限界がある一方で、全CO2の4分の1を排出する全国51の火力発電所の発電効率を、最も良い方式(東京電力方式)に統一するだけで、家庭の全排出量12%と同じくらいの削減が可能であり、「仕組み」をつくることはとっても大切。その仕組みをつくるのは、行政であり、政治である。ということで、選挙はとっても大切だ。これを利用しない手はないではないか!
市長候補予定者全員に、マニュフェストに温暖化防止策を入れてもらえるように、市民アクション2008から要望しよう!と提案した。
初め、「選挙に口出しするのはちょっと・・・」と難色を示していたメンバーも、会議の中で議論を重ねることによって、やる気になってくれ、嬉しかった。しかし、この計画は、マニュフェストを提出しようとしたその日になって、32団体の足並みが揃わず、ボツとなってしまった。その理由として、
- ネットワークが始まったばかりなのに、時期早々。
- 各団体に持ち帰って議論する時間がない。
- 今は、各団体の信頼関係をつくるべき時期である。
- 行政に提言するのはいいが、選挙に関わるのはいけない。
賛同団体にはNPOが多いこともあって、全ての候補者に公平にやるということがもちろん条件、ということで一度はまとまりかけたのだが、残念な結果となった。会議に出席できていないかった方々の間接的な反対だっただけに、直接議論できる時間が十分あればよかったのだけれど。
政治アレルギー、そして選挙アレルギー
地球温暖化に対して、積極的に行動していこう!とする市民アクションに賛同されるみなさんは、もともと社会に関心があり、ボランティア精神に富んだステキな方々だと思う。政治に対しても積極的に関心を持たれている方が多いのではないだろうか。「行政にも、もっと働きかけよう!」というところでは意見が一致するのだ。
しかし、「選挙」に関わることにこんなにも抵抗があるとは、選挙アレルギーが市民に蔓延していることに改めてショックを受けた。始まったばかりの団体が候補者に要望することが無責任だという意見もあったけれど、私は逆に、候補者に課題を出すのは、市民の責任だと思う。「選挙」は本来、市民のためにあるもの、特定の利権(道路の問題然り)を持つ一部の人のいいようにされたままでは、温暖化政策も地球の未来もなくなってしまう。
ゴアの映画でも「温暖化政策をやってくれる人に投票しましょう」とある。大事なことだ。もう少し時間をかけて、政治や選挙にフツウに気楽に関われる雰囲気づくりができたらいいのだが、待ったなし!の地球温暖化、日本のゴアと呼ばれる田中優さんも公務員の仕事を辞めてしまったし、いささか焦る毎日である。「よきことはカタツムリのごとく」が信条ではあるのだけれど…。

活発に議論を重ねるメンバーたち
ボツとなった幻の申し入れ書を掲載します。
要望書
徳島市長選マニフェストに地球温暖化防止の施策を!!
(案です)
このたびの市長選挙におきましては、徳島市の持続可能な発展のために、候補者としてご尽力いただけることに感謝いたします。私たちは、地球温暖化による生活環境の影響を憂慮し、温暖化防止に向けて積極的に行動していくことに賛同する徳島県内32団体のネットワークです。
地球温暖化については、多くの報道や研究が示す最悪のコースをたどる可能性も高まっており、すでに溶け始めているグリーンランドの氷が全て溶けた場合の世界の海面上昇は6メートル、徳島市内ほぼ全域が水没することになります。未来の市民の命と暮らしを守るための対策が急務です。
そのため私たちは次期徳島市長に、他の市町村をリードするような、市民と一体となった地球温暖化防止政策を実行していただきたいと希望しています。
つきましては、市長選マニフェストに、地球温暖化対策の基本的なお考えと実行するための具体的施策を取り上げていただけるよう、強く要望いたします。
そのために、例えば
下記項目等については、どのようなお考えか、具体的な施策を示して頂ければと希望します。
- CO2など温室効果ガスの数値削減目標、時期とその達成のための施策について
- 市民と行政が連携した温暖化対策のための組織や仕組みづくりについて
- 太陽光発電、風力発電、ごみ発電など、新エネルギーの導入について
- 公共交通機関の活用促進、充実など交通対策について
- 排出ごみの抑制、リサイクル率の向上等ごみ減量について
- その他 独自の地球温暖化防止対策があれば、大歓迎です。
以上、ご検討いただき、2月29日までにご返事をお願い申し上げます。なお、ご返事頂いた内容は、マスコミや当会のイベント等で公表させていただく予定でいますので、予めご了解いただきますよう、お願いいたします。
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