12月17日
11月議会閉会
〜北朝鮮に対する経済制裁を求める意見書は?〜
前日の議会運営委員会で、自民党会派22名全員が提出者となり「北朝鮮に対して経済制裁を求める意見書」が、閉会日に提出されることになった。
北朝鮮に拉致された日本人のうち安否のはっきりしない方々に対して、横田めぐみさんの遺骨など朝鮮側が出した資料が、DNA鑑定により複数の別人のものだったことがわかり、国民の怒りは高まっている。愛する家族を拉致され、今なお安否がわからない方々の悲痛な思いははかりしれない。ということでこの意見書の主旨は理解できる。
ここで、以下のような報道がある。
- 北朝鮮「経済制裁なら宣戦布告と見なす」
北朝鮮外務省スポークスマンは14日、横田めぐみさんの「遺骨」を別人の骨とした日本の鑑定結果の公表について「特定の目的のために事前に綿密に企てられた政治的脚本に基づくものであるとの疑惑を抱かざるを得ない」と非難する談話を発表した。
朝鮮中央通信が伝えた。
北朝鮮が横田さんの「遺骨」の鑑定結果についてコメントしたのは初めて。
さらに「共和国(北朝鮮)に対する(経済)制裁が発動されれば、われわれはそれをわが国に対する宣戦布告と見なし、強力な物理的方法で即時対応するだろう」と経済制裁に対して軍事的な報復措置を行うことを明らかにした。
[2004/12/15/00:45]日経新聞ニュース
経済制裁をカードとしてねばり強く交渉を続けなければならないことは言うまでもない。 けれど「今すぐに経済制裁を!」という「GO!」の意見書に賛成の起立をすることはどうしてもできない。と、まる一日考えた末の私の結論。確かに北朝鮮は憎むべき国家である。
かつてアジア諸国を侵略していた日本も世界の国々に同じように映っていたのかも知れない。アジアの「ならず者」日本に対してアメリカは原爆を投下した。犠牲になったのは国家の力で統制されていた国民、ある意味で罪のない一般市民だったのではないか?
もし今、北朝鮮への経済制裁で被害を受けるのが弱い立場の人たちだけだったら? はっきりしたことを調べる必要があるが、国家のリーダーたちは直接被害を被ることはなくて、貧しい人たちがより一層苦しむだけかも知れない。
北朝鮮問題に対する勉強不足(過去の経済制裁の結果、この国にどんな影響があったのか等々)の自分を反省する。
この意見書に賛成した方たちの理由はもっともだし、多くの国民の気持ちかも知れない。
提案理由を説明するF議員に「そのとおり!」「なめられとるんじゃ!」という声が飛ぶのも複雑な気分で聞いていた。
朝の会派総会では、「この決議の主旨からして反対はできないだろう。」ということで意見が分かれ、県民ネットは賛成2名退席2名。「戦争への可能性をできるだけ避ける」ということと、 「経済制裁の影響がはっきりわからない」ということで私は退席を選んだ。
「同じ理念を持つものどうし」というのが会派の意味ではあるが、全員が全てのことに対して同じ考えではあり得ないし、そうならば気持ち悪いこと。悩んだ末に決めた私の結論を尊重してくれた会派のみなさんに感謝。
可決された意見書(下線の部分が賛成できないところ)
- 北朝鮮に対して経済制裁を求める意見書
北朝鮮による日本人拉致問題をめぐって第3回日朝実務者協議が、去る11月9日から開催されたが、死亡したと言われている8名の方々に関する説明や資料が多数提供された。とりわけ、横田めぐみさんの夫と称する人物からは、めぐみさんのものとされる遺骨が引き渡され、日本に持ち帰ってきたところである。
しかしながら、めぐみさんの遺骨をDNA鑑定した結果、全く別人のものであることが判明し、政府は直ちに北朝鮮に厳重抗議したが、北朝鮮の係る行為は、我が国の尊厳を著しく損い、国民を愚弄するとともに、拉致被害者の心情をもてあそぶのものであり、強い憤りを禁じ得ない。
日本国民は、このたびの著しく誠実を欠いた北朝鮮の姿勢は断じて許すことが出来ない。 よって、国におかれては、拉致問題の解決なくして日朝の国交正常化はありえないという強い態度を示し、特定船舶入港禁止法の発動や食料支援の凍結等経済制裁などを直ちに講じて、毅然とした態度を持って日本人拉致被害者の全容解明、早期解決に向けて取り組むよう強く要望する。
以上地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
第154回国会を通った決議案(これなら文句なく賛成)
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