9月28日
応援団を前に緊張の一般質問
4人以上の会派では、定例会ごとに一名に限り70分の代表質問ができる。また、会派の構成人数に関係なく、一人の議員が本会議に質問できるのは年に一度だけだ。代表質問以外は一般質問となり、時間は60分となる。
この9月議会、私にとっては4年間で初めての一般質問となった。制限時間は理事者の答弁も含めて60分。
私のやり方は、1ヶ月くらい前にテーマを決め、それに対する県の取り組みや考えを担当部局から聞き取り調査、必要あれば現場にも赴き、現場の声も調査。他県での先進的な取り組みがあれば視察にも出かける。「議員に与えられた行政にモノ申す最高の舞台」は年に一度だ。その舞台を最大限に生かせるよう全力を尽くしたい、という思いの1ヶ月間は、長く苦しい。
質問事項は数日前に担当部局に伝えなければならず、答弁の原稿が用意される。質問と答弁がしっかりかみ合うように、総務課の担当職員は注意深く「質問想定表」をつくり、お互いにチェックしあう作業を何度も重ねていく。
そうしている間には、6ヶ月後にせまった来期の選挙を心配して下さる方々から「○○候補者は、毎日選挙区を歩いているよ。もう、うちには三度も来たよ。」「吉田さんも政治活動はいい加減にして選挙活動をせんといかんよ。」「○○さんは、全部のお葬式に顔を出して頭を下げてまわっているよ。」
などなど、ほぼ毎日のように電話がかかってくるし、登壇1週間前ともなると、両方のプレッシャーで食欲もなくなりがちだ。(終了後の体脂肪率は15%台に落ちていた。1週間後には19%に回復!)
そんなこんなの1ヶ月、質問づくりではいろいろな分野の市民の方々にアドバイスをいただきながら、また、今回は後援会から「景気づけにバスで応援に行こう!」との企画や、吉野川市外からは、今年もたくさん傍聴に来ていただき、メールやお手紙での激励もいただいた。
家では、夫が熱いコーヒーを入れ、お風呂を沸かしてくれて、無言の励まし。(うちのお風呂は晴れの日はソーラー、雨や曇りの日は薪で沸かすお風呂。励ましというより趣味かも)なんとか無事に原稿が完成した。
ところが、「多美農場の大量の汚泥肥料の残る現場に、知事自身に立って欲しい」という再質問を前日に担当部局に伝えたところ、 総務課より「知事でなく農林水産部長が答弁するということです。」と言ってきたのだった。そして「お互いのためにならないのでこの質問はやめたほうがいいのではないでしょうか。」と、私を気遣って言ってくれたのだった・・・。
いい答えがもらえないことは、あまり質問の中に入れたくないものだし、これまでにも本会議や委員会の前に「それを聞かれても良いお答えは出来ません。(だから質問するのは辞めて欲しい、と暗に言っている)」と言われたことがあるけれど、それでは、議員の仕事(行政のチェック)をしているとは言えない。
表に出さないことでいい方向に変わるならそれもアリかもしれないけれど、どうしても変わりそうにないことなら、本会議質問という日の当たる場所に出すことでなんとか少しでも変わるきっかけを作りたい、と思う。
それにこの質問は、苦しまれている現地の人に「是非知事に現場に立ってほしい。立つつもりがありますか?と聞いて欲しい。それがこの問題の原点でしょう?」と、言われて、「必ず言います。」と約束したことだった。後へは引けないのだ。
議場にはいると、傍聴席に4年前の選挙を手弁当で応援して下さったたくさんの人たちの顔が目に入り、泣きそうになったけど我慢。そして、4回の本会議質問で最も緊張した時間が始まったのだった。
質問の項目
- 耕作放棄地対策について
- 吉野川流域の内水被害対策について
- 汚泥肥料の不法投棄について
- 地球温暖化対策について
- 情報公開条例について
答弁の内容はいずれも予想どおり。
旧・井川町の多美農場の汚泥肥料(?)撤去の要望、第十堰の危険度の認識については、やはり、いい答えをもらえなかったし、知事に聞いた「現場に立って下さい!」に知事は答えなかった・・・。
終了後、知事は質問した議員の控え室にあいさつに来てくれるのだが、その時私は「よろしくお願いします。」といろいろな意味を込めて頭を下げた。廃棄物行政のあり方について、メッセージが少しでも届いていて、ずっと先でも何か変わってくれたらいいのだけれど。
吉野川の最重要課題である内水被害の対策、農業のこと、食糧自給率のこと、温暖化問題、まだまだ言いたいことは尽きないし、政治・行政の取り組みは本当に不十分だと思う。人間の本当の幸せのために(未来の子どもたちのため)、必要なことは何なのか?という視点を大切に、まだまだ成長し、議員として働きたいと思った一日だった。
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