10月16日
閉会日、7つの決議
〜北朝鮮への「あらゆる制裁」にこだわってみたけれど
10月9日に、北朝鮮が「核実験の実施」を発表した。そして、閉会日に「北朝鮮への抗議と核開発の即時中止を求める決議」が提出される見通しとなった。
タイトルだけ見ると当然の決議のようだが、目を皿のようにして最後まで読んでみると「あらゆる制裁措置を」という文言がしっかり入っている。さあ、大変だ!
さっそく9日からのインターネットニュースで「本当に核実験があったのかどうか」に絞って情報を集めたが、この時点ではどの国もどの機関も事実は確認できていなかった。15日になってアメリカがごく少量の放射性物質を測定したのみ。他の国や国際的な機関は観測できていない。怪しい。9.11だって、アメリカの自作自演の可能性が高まっているし。核実験がもし本当なら、もちろん許せない行為であり断固たる抗議が必要。(アメリカは1000回以上も核実験している!!)だが、「あらゆる制裁措置」というのは、とても危険な感じがする。
選択肢は3つ。
- 賛成するけれど賛成討論の中で意見を付け加える。
- 反対して討論の中で「主旨には賛成だが、あらゆる制裁は危険だ」と言う。
- 退席して、記者会見をして理由を述べる。
「反対して下さい」のメールも何通か届いた。それぞれの方に意見に「もっともだ」と心が動く。さあ、どうするか、一日頭を離れない日が続く。閉会日前日、深夜に高知から帰宅して「北朝鮮への決議、やっぱり反対するわ」言うと、それまで「どうしようか」という私の独り言を聞く度に「難しいなあ・・・」としか反応しなかった夫が「県民の誰も理解できんかもな」と言った。シュン、となり、また考えた。
そして本会議の朝を迎えた。一応討論は真夜中に準備した。本田さんがたたき台を作ってくれて(半分以上叩いてしまった!)書いているときには「これを言えたら政治家を辞めても悔いはないな」と、ふと頭を過ぎったり、いやいや、まだまだ頑張らなくっちゃ、と思ったり。前日にお会いした永年命を張って原発に挑んできた(実際命を狙われる時期があった)広瀬隆さんの目が、想像(こわい感じの人だと思っていた)と違ってとても優しく、心を打たれたせいかもしれない。
そして閉会日、朝の議会運営委員会
一人会派は議運の正式メンバーではないのだが、藤田委員長は一応きちんと全員に意見を聞いてくれ公平な委員会運営をされる人。「あらゆる制裁措置の中身」について、「憲法の範囲内で」「武力攻撃を含まないのか」と質問した。
すると、すかさず「小休」となり、海千山千の自民ベテラン委員たちにいろいろ言われた。「国連でも決まっとるでないか」「41条にもとづいてだろう?」 軍事制裁でなくても、国では武力抗争に発展しかねない船舶の臨検などを検討しているということも気になるので「でも日本は独自の追加制裁を考えていると首相も言ってるし」と言ってみたが大きな声にかき消されてしまった。それでも「あらゆる制裁には賛成できない」というところにもっていけなかった。
そして再開後に委員長により「憲法の範囲内」「非軍事的な制裁」ということが確認され、会議記録に残ったこともテープで確認し、「苦渋の賛成」になった。
「国民の8割もが(制裁を)支持しているというのに、そのような質問が徳島県議会の議場に載せられることすら、寒い」と言う委員もいた(この発言も議事録に残った)。国際紛争に発展しかねない政治の場のあらゆる決断は、最も慎重に行われなければならないのではないだろうか。たとえ小さな地方議会であっても、だ。「全員が同じ方向を向いたときの危 険性」を常に念頭に置いて、もっと説得力のある発言が出来るようになりたい。また、「全ての核保有国への同様の決議をすべきでは」とも言ってみたが、「それは次の11月議会でどうぞ」と委員長に一蹴されてしまった。(ここにまぼろしの討論掲載)
飲酒運転撲滅に関する決議
障害者自立支援法の早期改正を求める意見書
国直轄による長安口ダム改造事業の早期実施を求める意見書
この3つには、もちろん賛成。
防衛庁の防衛省への昇格の意見書
しかし、防衛庁が省に昇格する意見書には反対。日本は今でも世界第2位の軍事費。省になればさらに増えることは確実だ。限られた税源で代わりに削られるのはまた障害者やお年寄りへの支援?教育費かもしれない。武装すればするほど、お互いの軍事費がふくれあがっていくという悪循環。大切な税金は社会保障や環境対策に回すべきだ。
地方の道路整備の促進と道路財源の確保に関する意見書
地方の必要な道路建設には賛成だけれど、「道路特定財源の堅持」は疑問です。「年度末になると無駄な道路工事が予算消化のために行われている」という批判を良く耳にする。「必要なところに、必要な予算を」となるような、縦割り行政からの脱却が求められる。
高レベル放射性廃棄物最終処分施設建設の応募検討に関し慎重な取り扱いを求める決議
新風21、共産、無所属、県民ネットの賛成少数で否決された。反対討論は「内容には賛成だが高知県への内政干渉であり、時期尚早である。」というもの。放射能に県境はない、環境汚染に国境もない、だから北朝鮮への核実験に抗議するのではないのか?
計画が動き出してからでは遅すぎる。(前日の六ヶ所村の話参照)出来るだけ早い時期から、何度でも、慎重もしくは反対の決議を出して行くべきだと思う。
|