12月1日
代表質問 〜スカイマーク撤退とジェンダーフリー〜
自民党新政会の代表質問は藤田さん。説得力がある質問の上手な人だ。東京―徳島の航空路線は、現在、日本航空4往復、スカイマーク4往復が就航しているが、スカイマークが4月からの全便撤退を表明。そうなると搭乗率が100%を超えるということで、以来、航空会社や国交省など関係機関への陳情が続けられているが進展はない。淡路―関空の航路復活の話もチラチラ聞こえ出した。この日の答弁ではっきりしたいい話はなかったが、とにかく路線確保に全力を尽くすとの知事答弁。今議会の争点の一つとなった。
他に三位一体改革や財政など7項目の質問の最後に、ジェンダーに関する発言があった。「過激な性教育・ジェンダーフリー教育に関する実態調査プロジェクトチーム」が情報提供を呼びかけたところ、学校の性教育や男女の取り扱いに対する保護者らの不平不満が3500件に及んだ、というのだ。う〜ん、本当なのか・・・?嫌な感じである。
基本高水の理解が進む県議会
自民党交友会の吉田忠志議員は、とっても財政通。法律もよく勉強されていて、質問を聞いているだけでとても勉強になる。今は、来年の予算編成に向けての時期なのだが、知事は各部局からの要求に対し、継続事業を「ゼロベースから見直し」して、15%削減を目標にすることを指示。そして浮かせた予算を「政策推進特別枠」として思い切った重点配分をするという。何だか夢が持てそうだが「ゼロベース」というのがいったい何なのか、わかったようでわからない。言葉のマジック?
国から県への権限移譲は、第1期三位一体改革で不十分ながらも一歩踏み出したが、県から市町村への権限移譲のスピードが遅い、との指摘は同感。吉野川について9月議会で議論したかったのだが、質問のポイントがぶれるから敢えて質問からはずした基本方針の中の計画ピーク流量に対し、既存施設ではカットしきれない約3000立方メートル/秒について、吉田氏が質問してくれた。
答弁は「今後、積極的に既存施設(ダムなど)の有効活用や操作規則の見直しで対応する」ということで新たなダムを造るような心配は今のところなさそうだが・・・。この日、吉田忠志議員は、雑誌「世界」でこの1年続いている基本高水の大熊―福岡論争と、それについての京都大の今本名誉教授の意見のコピーを持っていて、私たちに貸してくれたのだ。大事なところ、的確なところにはしっかりと傍線が引いてあり、しっかり勉強しているのがよく解りとても嬉しかった。
県議会の外にいるときは、第十堰問題の河川工学的議論は県議会でなされていないと聞いていたし、勉強している人もいないのかと思っていたのだ。メジャーな雑誌に「基本高水論争」が取り上げられるようになってきたことも、各地の住民たちがつくった時代の変化なのだろう。
JR牟岐線は存続ピンチ?
新風21の榊議員の質問で、国鉄が民営化されたときからの「経営安定基金」の期限が来年切れるということで、JR四国の経営が危うくなるという。あわせて固定資産税の特別措置の期限も切れるらしい。路線の存続も危ないこの時期に、鉄道を高架にする事業にあわせて1000億円とは!納税者をバカにしているとしか思えないのだが、この事業に疑問を持つのは、共産党と県民ネットのみだ。
ベテラン議員の知人は「事業が出来ないのはみんな分かり切っているのだが、推進姿勢は選挙対策」と言いきる。もしそうならばなおさら許せないことだが、高架にするための工事で、さまざまな業者が潤うことを願っての推進もあるだろう。一時的な幸せでなく、将来にも責任を持てる政策を考えられないものだろうか。
道路特定税源の一般財源化の是非
この日の最後は自民党明政会の重清議員。広島、栃木で続けざまに起こった小学1年生の女の子の痛ましい殺人事件を受けて、教育長は「通学路の再点検」の通知を各校に。年内に緊急協議会も立ち上げる。
道路特定財源の一般財源化を心配し、県南の地域高規格道路の建設進展への影響を懸念する質問もあった。重清氏の立場から当然の質問かもしれない。国道192号線では今年ずっと補修工事が行われているが「まだまだ補修は必要ないようなところがほとんど」との声が多い。年末や年度末の駆け込み工事だという批判も聞こえる。必要な道路と、不必要な補修工事。バランス良くやってほしいし、道路特定財源の一般財源化に私は賛成だ。
1日に70分×4人の代表質問を、メモをとりながら集中して聞いていると、終わったときにはどっと疲れている。学生時代は90分×4時間で平気だったし部活を3時間もやっていたのに、やっぱり年のせいかなあ。
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