吉田ます子でんでん日誌

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活動日記

2011年5月4日
被災地への物資配達報告
2010秋
みなさんへ
11月14日
参議院議員公認候補となった日
10月12日
「マイナス25%」を支える民意をつくる!〜平田仁子さんセミナー〜
9月23日
政権交代と八ツ場ダム〜香川・内海ダムは?〜
8月30日
悔しい小選挙区、でも何もかもこれから
8月18日
いよいよ総選挙公示!〜比例ブロックの候補者になった日〜
7月11日
伝えたい意志の力〜美しい地球を子どもたちへ
6月25日
嬉しい全国100件目!〜吉野川市議会にて「気候保護法の制定を国に求める意見書」採択
6月13日
生物多様性セミナー
6月6日
「イラク戦争から6年‐共に生きていくために〜支援、文化交流活動を通して考えたこと〜」 〜地球人カレッジ:相澤泰行さん〜5月24日
吉野川汽水域day〜「干潟初体験!」&「第十堰再発見!2009」〜
5月23日
選挙と田んぼとザンビアと
5月4日
小沢一郎秘書逮捕から思うこと〜小沢一郎を励ます会〜
4月5日
サムタイムズ・ボランティアの変わったお花見
3月20日
7回目の3.20ピース・アクション〜堤未果さん講演メモより〜
2月28日
エネルギー自給を目指す梼原(ゆすはら)の挑戦
11月3日
ダムと天下り〜川シンポ2日目〜
12月9日
今年最後の9条アピール
11月7日
筑紫哲也さん逝く
11月2日
河川行政は分岐点〜第2回 川の全国シンポ 淀川からの発信〜
10月15日
井内谷川汚泥撤去を求める署名簿提出
10月4日
四国初上陸!〜WTO・FTA/NGOフォーラム〜
10月1日
仁木博文さん 鴨島事務所開き
9月29日
公害調停制度を生き返らせよう!〜園瀬川流域環境保全の会 提訴の意味するもの〜
9月19日
徳島県で第2号公害調停申請へ〜井内谷川汚泥問題〜
9月15日
こつこつと7年目〜廃棄物ネットワーク第7回総会〜
9月6日
希望の語り手、田中優さん〜地球温暖化をくいとめる新しい社会の作り方〜
8月30日
吉野川市でも上映会〜「不都合な真実」〜
8月23日
市民の努力は報われる?〜鳴門キョーエイ・レジ袋一部廃止〜
7月27日
美しい音は世界を変える?ー里山の風景をつくる会 設立7周年記念コンサートー
7月13日
息の長い運動を〜園瀬川流域環境保全の会総会〜
7月14日
久しぶりの多美農場
5月31日
地球温暖化から取り残される日本の政治−洞爺湖サミットで何をなすべきか−
5月10日
地球人カレッジ「地雷畑で見た夢」〜若き鬼丸くんの苦悩と挑戦
4月17日
感謝!感動!〜名古屋高裁で自衛隊イラク訴訟で違憲判決〜
4月11日
住民の願いむなしく〜公害調停制度の死んだ日?〜
3月25日
安心して飲める水を!〜井内谷川を守る署名活動発足会〜
3月20日
イラク開戦5周年〜世界中でピース・ウォーク〜
2月23日
シンポジウム「まちに森をつくる」
2月15日
幻に終わった市長選マニュフェストへの申し入れ
2月1日〜3日
カンボジアへ
1月25日
不都合な真実を知らせよう!~みんなの力が結集した上映会~
1月17日
100%再生紙はウソだった!〜久しぶりの後援会ニュース発行〜
12月16日
吉野川住民の意見を聞く会・3巡め(治水、利水)レポート
11月30日
「待ったなし」地球温暖化〜2008年を市民が行動を起こす年に!〜
11月5日
政務調査費を修正申告
10月28〜29日
ダムと天下り〜水源連総会と国会シンポジウム〜
10月13日
きらり!我孫子市政 〜前市長、福嶋浩彦さん講演〜
9月24日
徳島初!公害調停に向けて〜申請人の集い〜
9月2日
破綻するリサイクルと忍び寄る汚染〜廃棄物ネット総会と講演〜
8月22日
善入寺島汚泥不法投棄事件〜阿波署に告発〜
8月11〜12日(2日目) 
川を流域住民(あなた)がとりもどす全国シンポジウム
8月11〜12日(1日目)
川を流域住民(あなた)がとりもどす全国シンポジウム
7月29日
動けば変わる!希望の参議院選挙
7月28日
有機農業が地域を救う〜徳島有機農業を育てる会設立!〜
7月12日
参議院選挙公示〜争点は年金だけじゃないけれど!〜
6月19日
キャラバン隊、県南を行く〜豪快な号外を全国3000万世帯へ〜
6月16日
ボーリング調査の結果は?〜園瀬川流域環境保全の会 総会〜
5月26日
善入寺島の汚泥不法投棄に対して行動開始!
5月19日
徳島出身の写真家、香川美穂さん 南極写真展〜ギャラリーなじみにて〜
5月12日
いい本に出会いました。「クマともりとひと」〜日本熊森協会〜
5月3日
心に残った上映会〜「六ヶ所村ラプソディー」山川のアメニティセンターにて〜
4月22日
よかった!感動!!〜東洋町民の選択〜
4月8日
落選〜でも、みんなが幸せな社会をつくる目的は終わったわけじゃない〜
3月22日
知事選告示
2月15日
市民のカンパが未来を救う!〜上八万産廃処分場ボーリング調査〜
1月24日
中村敦夫さん出版記念講演〜環境主義の原点〜
1月16日
ハンディのある人もいきいきと〜アントハウスオープン〜
1月21日
たくさんの応援をありがとう!〜ます子後援会事務所開き
1月1日
明けまして、おめでとうございます。
12月17日
戦争をやめさせ、環境破壊を食いとめる新しい社会のつくりかた〜田中優さん講演〜
12月8日
憲法9条 朝のアピール
11月22日
犬の救出劇、TVで全国中継
10月28日
くれない色に染まった井内谷川
10月21日
愛媛県肱川へ〜二線堤と山烏坂ダム計画〜
10月15日
尊敬する広瀬 隆さんに会う
10月14日
宮島会館で大盛況〜16地蔵物語の鑑賞会
9月30日
急な追加開催〜吉野川流域住民の意見を聞く会〜
8月28日
教育格差の社会へ?〜教育基本法改悪反対集会〜
8月25日
ホテル・ルワンダ〜徳島で見れない映画を見る会8月例会〜
8月6日
暑い熱い日曜日
7月7日
イリーナ博士の実験〜遺伝子組み換え大豆のラットへの影響
6月30日
アニメ上映会「十六地蔵物語」
6月9日
満員のマイクロバスで高松へ〜国交省四国地方整備局で説明会〜
6月2日
談合防止の申し入れをしました。
4月22日
徳島弁護士9条の会・設立総会
4月20日
環境保全型農業とは?
4月18日
不安な遺伝子組み換え作物栽培に安心な条例を!〜めざせGM!安全・安心条例実行委員会 要望書を県に提出〜
4月15日
激論!改憲のための国民投票法〜国民投票と吉野川住民投票〜
4月1日
3つのおめでたいこと
3月17日
伝統の手作り卒業式〜知恵島小学校〜
2月15日
自分の言葉で語ろう!〜憲法と私たちの暮らし〜
2月12日
たくさんの来場者に感謝!〜いきいき県政報告会〜
1月11日
信州の見事な森林政策&佐久総合病院の挑戦
1月10日
豪雪の長野へ〜田中康夫の改革〜
2006年1月3日
明けましておめでとうございます。吉野川市成人式祝辞

6月13日
 生物多様性セミナー

4月から準備会を重ねてきたセミナー、会場は46人席、少数精鋭の参加者を目指した。実行委員会の努力の甲斐もあり、徳島新聞も二度もの予告記事を出してくれ、会場は人で溢れた(81名!)。まだ若い29歳の講師、道家哲平さんは、一所懸命準備してユーモアを交えながら精一杯の講義をしてくれた。誠実さと生物多様性保全にかける静かな情熱の伝わったいいセミナーだったと思う。コープ自然派の週1発行のふれあいニュースで、このセミナーの報告を連載できる機会をいただいたので、順次掲載します。

超満員の会場
超満員の会場

1)生物多様性条約とは?
1992年、リオの地球サミットで人類のための重要な2つの条約が締結されました。

  1. 気候変動枠組み条約:人間とエネルギーのための条約
  2. 生物多様性条約:人間と自然のための条約です。

生物多様性条約とは、「この地球の上でこれからも私たちや私たちの子供は生きていこう、大地の凸凹が織り成す多様な環境とそこにすむ多様な生命と一緒に生きていこう」という世界の約束です。そのために、目標を作り、ルールを作り、やるべきことを決めるという世界の約束なのです。

ワシントン条約や世界遺産条約など自然保護の条約の中で最も加盟国の多い191カ国が参加(アメリカやイラクは未加入)、これまでの最大の成果として「2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に抑える」という世界目標を作れました。が、この目標は達成されそうにないそうです。

しかし、日本では、44の自然保護団体の永年の働きかけもあり2008年議員立法により「生物多様性基本法」が成立、今後、県や地方自治体に計画づくりが義務付けられたら是非、市民参加で! そして条約の締約国会議(COP:Conference Of Parties)の議長国として2010年10月、名古屋でのCOP10開催が決定しました。COP10は生物多様性をテーマにしたお祭り、お祭り好きの日本人に生物多様性の大切さを伝えていくまたとないチャンスです。徳島でも一緒に盛り上がっていきましょう!

2)生物多様性とは?
「生物多様性」って何でしょう?硬くて難しそうな言葉ですね。みなさんは、この言葉からどんなことを連想しますか?県議会にいたことのある私は、マリンピア沖の洲の埋め立てでその生息地を奪われることが問題になった「ルイスハンミョウ」を思い出しました。

当時同じ県土整備委員会メンバーだった開発推進の議員さんは「あんな小さな黒い虫のため、埋め立てに反対するなんて、徳島の経済活性化のために実にナンセンス!」と鼻で笑いました。でも、話はそう単純なことなのでしょうか?

道家哲平さんは語りました。生物多様性とは「遺伝子から、生物種、生態系にいたるすべてのレベルにおよぶ生命の多様性」「生きものの賑わい」「存在する生きものそれ自身と、それらの間の様々な関係の総称を全体として示すことば」であり、多様な生き物が存在するためには多様な環境の存在が必要であり、生き物同士のつながりが必要で、つながりが一ヶ所でも崩れると多様性は連鎖的に劣化すると。

たとえば、ハチによる受粉は人工授粉よりもはるかに実をつける確率が高く、質のよい実になるというトマトでの実験結果が示されました。また生息する場所の地形的つながり(連続性)、過去とのつながり(歴史性)も大事であり、他の生物や他の場所の個体との交雑、その種の絶滅は「不可逆な変化」と断言。

温暖化で気温が2℃上昇したときのてんとう虫が2世代増加する間に、てんとう虫を天敵とする(人間にとっては)害虫であるアブラムシは5世代増加してしまい、アブラムシの数が増え、農薬が多用され他の生き物の生態系も狂ってしまう、という具合に温暖化と生物多様性も深くつながっているのです。

3)失われる生物多様性     
前回、「生き物が存在するためには多様な環境の存在が必要であり、生き物同士のつながりが必要で、つながりが一ヶ所でも崩れると多様性は連鎖的に劣化する」ということをお伝えしましたが、私たちの周りでは急速に多様性の場が失われつつあります。以下の表は道家さんが示したものです。

1990年までの生息地の減少

原因は3つに分けられます。
1)人間活動や開発
2)自然に対する人間の働きかけの減少
3)外来種や化学物質による生態系の攪乱

1年に絶滅する生物種は数万とも言われています。10年後には数十万、100年後には?

4)地球の今 絶滅危惧種の割合
前回、「生き物が存在するための多様な環境」が想像以上に失われている状況を棒グラフでお知らせしましたが、そのことによって、実際に哺乳類では、下の円グラフのような状況になっています。

哺乳類の絶滅危惧種の割合

時計回りに
1)絶滅してしまった種(1.4%)
2)絶滅危惧種(20.8%)
3)準絶滅危惧種(5.9%)
4)絶滅の恐れの低い種(56.7%)
5)未研究のもの(15.2%)の順番です。

この他、鳥類では絶滅危惧種が約12%、両生類では約30%にも及びます。
私たちの周りでも「蝉がいなくなった」「トンボがいなくなった」など、そして最近では「ミツバチがいなくなった」というふうに、少し前まで当たり前のようにいた生き物の姿が見えなくなってきています。

もしミツバチが絶滅してしまったら、多くの野菜や果物の受粉が困難になり、農業は大打撃、世界の食糧生産が危機的な状況になるといわれています。農薬が原因という説もあるようです。

さて、これらの生物多様性の減少を食い止めるために2008年に「生物多様性基本法」が成立したことはすでに報告しましたが、この法律は「鳥獣保護法」「特定外来生物法」「種の保存法」などの法律の上位に位置する「理念法」であり、●自然資源を持続可能な方法で利用すること、●環境を脅かす可能性のある事業などが開始される前に、問題を「予防的」に解決すること、●一般市民の意見を考慮すること、などが実現される可能性が高まったということです。

5)生物多様性を支える市民力
前回、生物多様性を守る、取りもどす、喪失の速度を確実に遅くする、そのための法律(理念法)が2008年にやっと出来たことを報告しましたが、各県、市町村など自治体レベルでの具体的な地域戦略はこれからです。地域の自然を知っている市民やNPO,NGOがどんどん提案していく必要があります。

実はこの原稿の締め切り前夜、地区の衆議院小選挙区立候補予定者全員が参加しての公開討論会に行ってきました。市民の関心は高く、会場はたくさんの人で溢れていました。しかし、討論のテーマは「景気、経済政策」「過疎化対策」「社会保障制度」「選挙制度(主に世襲制)」の4つ、どれも大切なことに違いはないのですが、気候変動や生物多様性は全く取り上げられませんでした。(それどころか過疎対策について、「徳島にリニアモーターカーや新幹線を持ってくる交通革命をやる。」と言っている方もいて、思わず「徳島の生物多様性はどうなるの?」と叫びそうになりましたが、退場させられそうなので我慢しました...。)

県民の関心の優先順位がこのような質問にさせるのでしょうか。道家さんのセミナーでは、「海外ではNGOを支える人の数が違います」「例えば日本自然保護協会の会員数が国民1万人当たり1.8人、に対してドイツ自然保護協会では72.8人、日本野鳥の会が4人に対してイギリス王立鳥類保護協会は170人だ」ということでした。名古屋でのCOP10が、日本全体の一般市民の関心を高めるものであるように、徳島でできることを考えていきましょう!

道家さんを囲んで〜全力を尽くしさわやかな気分
道家さんを囲んで〜全力を尽くしさわやかな気分

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